京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第45週:令和6年11月4日~令和6年11月10日)No.645
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第45週の報告です。
京都府の手足口病の定点当り報告数は今週3.55まで減少しました。しかしながら、全国とともに警報レベルは継続しており、府内の保健所別でも先週の警報レベルの地域すべてで警報レベルが継続しています。山城北の咽頭結膜熱も警報レベルが継続中です。
眼科定点では流行性角結膜炎が6件、基幹定点ではマイコプラズマ肺炎が30件報告されています。
全数報告対象の感染症は、2類は結核が5件、3類は腸管出血性大腸菌感染症が2件、4類はデング熱が1件、5類ではカルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症の2疾患でそれぞれ3件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症・梅毒・百日咳の3疾患でそれぞれ1件の報告がありました。
侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因となる肺炎球菌は乳幼児が高頻度に鼻咽頭に保菌しており、小児や成人に中耳炎や副鼻腔炎、肺炎などを引き起こします。菌が血液・髄液などの無菌部位に侵入し菌血症や髄膜炎などを引き起こすとIPDと診断され、患者の7割近くが65歳以上の方ですが、小児(特に0歳児)でもリスクが高い疾患です。IPDはワクチン接種により4割程度予防することができます。ワクチンは主に65歳の方への定期接種(公費負担あり)で用いられる23 価ワクチンと主に小児の定期接種で用いられる20価/15価ワクチンがあります。20価/15価ワクチンは標準的には生後2か月から計4回接種することで、終生免疫が獲得できるとされています。65歳以上の方も20価/15価ワクチンを接種できますが、現時点では全額自己負担です。23 価ワクチンはリスクの高い方は5年ごとの追加接種を行う場合もあります(2回目以降は全額自己負担)。詳細についてはかかりつけ医にご相談下さい。
ワクチンについてより詳細な情報が欲しい場合はこちらもご参照ください。
▶一般の方:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001086212.pdf
▶医療関係の方:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023年3月24日) (jrs.or.jp)
https://www.jrs.or.jp/activities/guidelines/file/haien_kangae2023.pdf
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
詳細は、下記のファイルをご覧ください。
2024年第45週:令和6年11月4日~令和6年11月10日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.645