京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第17週:令和6年4月22日~令和6年4月28日)No.617

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:2024年第17週の報告です。

定点報告対象疾患の感染性胃腸炎の京都府の報告数は今週6.0件に増加しました。保健所別では、京都市右京区でA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の警報レベルが継続しています。咽頭結膜熱は山城南の警報レベルが継続しているほか、乙訓でも報告数が3.75件で新たに警報レベルになりました。

全数報告対象の感染症は、結核が5件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症が1件、急性脳炎が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件、梅毒が2件報告されました。また、眼科定点では流行性角結膜炎が5件報告されました。

感染性胃腸炎は、夏場は高温多湿であることが影響し、食品中の細菌が繁殖しやすくなり、発症します。京都府でもすでに夏日が観測されていますので、食物管理には注意してください。アウトドアレジャーを楽しむ方も増えるこの時期、食品の十分な加熱処理、生肉生魚等に触れた調理器具の使い分けや十分な消毒や洗浄、手洗いの励行も大切です。

また、嘔吐・下痢の症状がみられた場合は十分に水分摂取をし、脱水を予防してください。飲水が困難な場合は速やかに医療機関を受診しましょう。ご家族などにそのような症状の方が出られた場合は、汚物の処理の際に自身も感染しないよう手袋等を装着したうえで処理をし、処理後の手指消毒も十分に行ってください。

 

 

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第15週:令和6年4月8日~令和6年4月14日)No.615

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:2024年第15週の報告です。

定点報告対象の疾患では、京都市右京区のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎は定点当り報告数5.8件で今週も警報レベルが継続しています。水痘は乙訓で定点当り2.5件報告され、警報レベルになっています。そのほか、京都府全体のRSウイルス感染症の報告数が第12週から少しずつ増加しており、今週は1.87件になりました。全数報告対象の感染症は、結核が6件、百日咳が2件報告されました。また、基幹定点の報告はありませんでしたが、眼科定点の報告として流行性角結膜炎が3件報告されました。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、学童期の小児に最も多いとされ、主に冬季および春から初夏にかけて流行が見られます。症状としては、発熱、咽頭痛の他、皮膚の発疹や舌がイチゴ状に赤くなる症状を呈することがあります。A群溶血性レンサ球菌は上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられ、菌の侵入部位によって多彩な症状を引き起こします。さらに劇症型溶血性レンサ球菌感染症という重篤な病態を生じることもあります。

予防としては「手洗い」、「うがい」、「マスク」といった基本的な感染予防対策をしっかり行ってください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第14週:令和6年4月1日~令和6年4月7日)No.614

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:2024年第14週の報告です。

インフルエンザの全国の定点当り報告数が5.1になり、終息基準値の10を下回りました。また、警報レベルが継続していた山城北の咽頭結膜熱も定点当り報告数が0.8まで減少し、終息基準値の1より少ない数値になりました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の京都市右京区での定点当り報告数は4.6で、今週も警報レベルです。

全数報告対象の感染症は、結核が6件、アメーバ赤痢症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症(CRE)が各1件、 侵襲性肺炎球菌感染症梅毒 が 各2件 、また、基幹定点の報告として無菌性髄膜炎が1件報告されました。

CRE感染症は、グラム陰性菌による感染症の治療において重要な抗菌薬であるメロペネムなどのカルバペネム系抗菌薬等に対して耐性を示す腸内細菌科細菌による感染症の総称です。主に感染防御機能の低下した患者や外科手術後の患者、抗菌薬を長期にわたって使用している患者などに感染症を起こします。肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、敗血症、髄膜炎、その他多様な感染症を起こし、しばしば院内感染の原因となるほか時に健常者に感染症を起こすこともあります。また無症状で腸管等に保菌されることもあります。

CRE感染症は薬剤耐性微生物による感染症の一つで2014年9月19日より5類全数把握疾患に追加され、発症者のみが届出対象となっています。特定の種類の抗菌薬や抗ウイルス薬等の抗微生物剤が効きにくくなる、又は効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR)」と呼びます。こうした耐性を持った細菌やウィルスが増えると、従来の薬が効かなくなることから、これまでは軽症で回復できた感染症の治療が困難になり重症化・死亡に至る可能性が高まります。AMRの発生を防ぐためには、医療機関における抗菌薬の適切な使用とそのサーベイランスを含めた感染予防・管理が重要です。また、世界保健機関もAMRを深刻な健康上の脅威として取り上げており、我が国でもまん延防止に向けた取り組みが進められています。

 

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第13週:令和6年3月25日~令和6年3月31日)No.613

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第13週の報告です。

感染性胃腸炎が定点あたり4.61件、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり2.13件と漸増しています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は京都市右京区で定点あたり11.4件と警報レベルとなっています。また、咽頭結膜熱は山城北で定点あたり1.78件と警報レベルとなっています。

全数報告対象の感染症は結核が9件、レジオネラ症が1件、水痘が1件、梅毒が3件、また基幹定点の報告として無菌性髄膜炎が1件、マイコプラズマ肺炎が1件報告されました。

今週も含めて毎週のように梅毒の報告が続いています。梅毒トレポネーマという病原菌により全身に様々な症状が出る性感染症で、早期発見、早期治療が重要であるといえます。検査が遅れたり、治療せずに放置すると、脳や心臓にも重大な合併症を呈することがあります。また妊娠中の感染は、死産、早産、新生児死亡の原因になったり、生まれた子供にも重篤な障害が出たりすることがあります。梅毒は早期には軽い皮膚症状のみで消長することもあるので、検査により感染の有無を確認することが必要です。

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第12週:令和6年3月18日~令和6年3月24日)No.612

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第12週の報告です。
インフルエンザの定点当り報告数が京都府内のすべての保健所で警報継続基準値を下回りました。ただし、全国の定点当り報告数は14.08で、今週も警報レベルは継続しています。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は京都市右京区で、咽頭結膜熱は山城北で今週も警報レベルです。

(コロナウイルス以外にインフルエンザ発生状況も提示しています:事務局付記)

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第11週:令和6年3月11日~令和6年3月17日)No.611

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第11週の報告です。
全国のインフルエンザの警報レベルは今週も継続、京都府の保健所別でも京都市南区・伏見区、乙訓で警報レベルが継続しています。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎も京都市右京区では警報レベルが続いています。

今週は新たに咽頭結膜熱が山城北で警報レベルに、水痘が京都市右京区で注意報レベルになりました。

(インフルエンザ発生状況を提示しています:事務局付記)

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第9週:令和6年2月26日~令和6年3月3日)No.609

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第9週の報告です。
インフルエンザは今週も全国・京都府全体とも定点当り報告数が減少しましたが、警報レベルは続いています。

京都府内の保健所別では、インフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で警報レベルの地域があります。咽頭結膜熱は8週まで警報レベルが続いていた山城北の定点当り報告数が0.75に減少したため、すべての保健所で警報レベルを下回りました。

(コロナウイルス以外にインフルエンザ発生状況も提示しています:事務局付記)

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第7週:令和6年2月12日~令和6年2月18日)No.607

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第7週の報告です。
今週も全国と京都府全体でインフルエンザが警報レベルです。先週まで警報レベルが続いていた全国の咽頭結膜熱の定点当り報告数は0.91まで減少、警報基準値(1.0)より下回りました。

京都府内の保健所別では、インフルエンザ・咽頭結膜熱・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の3つの疾患で継続して警報レベルの地域があります。

(コロナウイルス以外にインフルエンザ発生状況も提示しています:事務局付記)

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第6週:令和6年2月5日~令和6年2月11日)No.606

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第6週の報告です。
全国のインフルエンザと咽頭結膜熱の定点当り報告数は今週も警報レベルです。

京都府内の保健所別では、インフルエンザが京都市西京区で、咽頭結膜熱が丹後で、定点当り報告数が警報レベルまで増加しました。

(コロナウイルス以外にインフルエンザ発生状況も提示しています:事務局付記)

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第5週:令和6年1月29日~令和6年2月4日)No.605

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:

2024年第5週の報告です。
全国総数は今週もインフルエンザと咽頭結膜熱が警報レベルです。

インフルエンザの京都府全体での定点当り報告数は第1週から増え続けており、今週は警報レベルになりました。

京都府内の保健所別では、インフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が前週の警報レベルの地域で継続。咽頭結膜熱は京都市伏見区と山城南は引き続き警報レベルですが、京都市右京区と乙訓は警報基準値以下に減少しました。

 

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況(速報値)は次ページをご覧ください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/