京都府感染症情報センターより

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第17週:4月24~30)、No.257

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎、インフルエンザともに、それぞれ定点当たり6.03件、2.38件と減少しています。

流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)、突発性発疹の発生数は特に変化はありません。手足口病は府下では定点あたり1.22件ですが、京都市伏見区では3.00件と警報レベルとなっています。

全数報告対象の感染症は結核が5件、腸チフスが1件、クロイツフェルト・ヤコブ病及び侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件報告されました。

また、基幹定点からの報告としてロタウイルスによる感染性胃腸炎が4件、眼科定点からは流行性角結膜炎が5件報告されています。

 

今週は京都市の一部で、手足口病が多く報告されました。エンテロウイルスが原因となる手足口病は4歳位までの幼児を中心に夏季に流行します。過去には2011年と2013年に大流行がありました。予後良好な疾患ですが、稀に急性髄膜炎や脳炎などを引き起こすことが知られており、死亡する例もみられます。

感染後3~5日の潜伏期の後、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹が出現します。発熱はあまり伴わず、体温は38度以下のことがほとんどです。

特異的な治療法はなく、発疹にたいして外用薬は用いられません。水分補給と手洗いが重要です。治療後も便からの感染がありえますので、排便後の手洗いを特に徹底してください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレスhttp://www.pref.kyoto.jp/idsc/