京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第18週:5月1~7日) No.258
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は定点当たり4.38件と減少しています。インフルエンザも減少していますが定点当たり1.39件の報告がありました。
流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)、突発性発疹の発生数は特に変化はありません。手足口病は定点あたり1.38件とやや増加し、京都市内では南区、右京区、伏見区で警報レベルとなっています。
全数報告対象の感染症は結核が4件、侵襲性肺炎球菌感染症が 1件報告されました。
また、基幹定点の報告としてマイコプラズマ肺炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が4件、眼科定点では流行性角結膜炎が2件報告されています。
食中毒の原因として、ノロウイルス、カンピロバクターに次いで多いのが
アニサキス症です。2015年には年間127件の報告がされています。これは食中毒統計に届け出された数のみですので、実際には年間7,000人がアニサキス症に罹患していると推定されています。
アニサキス症の典型的な症状は激しい腹痛, 悪心, 嘔吐を呈する急性胃腸炎です。また、アニサキスに対するアレルギー反応として蕁麻疹やアナフィラキシー症状が発現することもあります。魚の生食だけでなく、非加熱の魚の酢じめ等の食品を介しても感染するため、注意が必要です。これから夏にかけては食中毒の報告が多くなる時期となりますので、注意しましょう。
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