京都府感染症情報センターより

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第22週:5月29~6月4日) No.262

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点当たり7.32件と先週に比べて減少していますが、全国平均よりは高く注意が必要です。流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。

手足口病の発生数は定点あたり3.80件です。京都市は4.43件とさらに増加しており、乙訓、京都市内の南区、伏見区、左京区、右京区では今週も警報レベルが継続しています。

全数報告対象の感染症としては結核が8件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、アメーバ赤痢・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が2件、眼科定点からは流行性角結膜炎が3件報告されています。

これから夏を迎えるにあたり、アデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)の流行が予想されます。例年は6~8月にピークをむかえますが、今年は既に全国的に報告が増加しています。プールや水遊びでタオルを使い回すことにより感染が広がるので「プール熱」と呼ばれていますが、咳やくしゃみによる飛沫感染のほか、おもちゃなどからの接触感染によって結膜や上気道に感染します。

感染すると5~7日の潜伏の後、発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに咽頭炎による咽頭痛、結膜炎による結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂を訴え、3~5日程度持続します。主症状が消失してから2日が経過するまでは出席停止です。

予防法としては、感染者との密接な接触を避け、流行時にはうがい手指の消毒をおこなうことが大切です。消毒法については、手指に対して流水と石鹸による手洗いおよび90%エタノ-ルの使用、器具に対しては煮沸や次亜塩素酸ソーダの使用が推奨されています。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレスhttp://www.pref.kyoto.jp/idsc/