京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第25週:6月19~25日) No.265 京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は定点当たり7.86件と先週とほぼ変わりません。流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数にも特に変化はありません。
手足口病は定点あたり3.87件、京都市では3.86件とやや減少しましたが、乙訓、京都市内の南区、伏見区、左京区、右京区、中丹東では警報レベルが継続しています。
全数報告対象の感染症は結核が5件、レジオネラ症が2件、急性脳炎・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒が 1件報告されました。 また、基幹定点からロタウイルスによる感染性胃腸炎が3件、眼科定点から流行性角結膜炎が7件報告されています。 全国的に手足口病が流行しています。2017年第15週以降、過去5年間の同時期と比較して定点当たり報告数が多い状態が続いています。第23週で比較すると、昨年は定点あたり0.26件でしたが、今年は1.59件と大きく上回っています。地域別では西日本で、特に九州が多い傾向にありました。原因はわかりませんが、手足口病の報告数は年によって大きく異なり、2011年、2013年、2015年と奇数年は報告数が多い年であったため今年も流行が危惧されます。
今年流行しているウイルスはコクサッキーA6ウイルスでここ数年と変わりありません。特徴としては水疱が大きいことや、爪脱落する症例が報告されています。これから本格的な流行期にはいりますので、手洗いの励行と排泄物の適正な処理を心がけてください。また、手足にできた水疱のなかには感染性のあるウイルスが含まれているので濃厚接触はできるだけ避けるようにして下さい。
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