京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第31週:7月31~8月6日) No.271
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
手足口病は先週からさらに低下し、定点当たり3.47件となっています。中丹西と丹後を除く地域で警報レベルが続いていますので、引き続き感染拡大に留意してください。京都市内でも北区、上京区、下京区、東山区以外のすべての区で警報レベルとなっています。
感染性胃腸炎は定点あたり3.55件と微増、流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症の発生数は特に変化はありません。
全数報告対象の感染症は結核が8件、デング熱とマラリアがそれぞれ1件、クロイツフェルト・ヤコブ病が1件 、梅毒が4件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が7件報告されました。
国立感染症研究所の調べによると、今年の麻疹の患者数が168人となり、既に昨年を超える人数となっています。日本は「麻疹排除国」に指定されており、これらの患者さんは海外で感染した後に、国内で診断されたものがほとんどと考えられています。現在、ヨーロッパや中国、インドでは麻疹が流行しています。以前にワクチン接種をした方でも抗体値が低下していると感染のおそれがあります。
麻疹の潜伏期間は10-12日とされており、帰国後に国内で感染を広げてしまうこともありますので、渡航後に発熱や発疹などの症状が出た際はすぐに医療機関を受診してください。
京都府感染症情報センターホームページのアドレス