京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第46週:11月13~19日) No.286
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は定点あたり4.25件と先週からさらに増加しています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。中丹西で急性出血性結膜炎の報告があり、警報レベルとなっています。
全数報告対象の感染症は結核が7件、侵襲性インフルエンザ菌感染症が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が4件報告されました。また、基幹定点から無菌性髄膜炎とマイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から急性出血性結膜炎が1件、流行性角結膜炎が7件報告されました。
今週報告のあった侵襲性インフルエンザ菌感染症はグラム陰性短桿菌であるインフルエンザ菌が血液や髄液から検出されるものです。インフルエンザ菌は幼児と高齢者に多くみられますが、小児では保菌率が高く、髄膜炎、敗血症、中耳炎、副鼻腔炎等の原因となることが知られています。
我が国では2008年12月にHibワクチンの任意接種がはじまり、2013年4月の予防接種法改正にともない定期接種のひとつとなっています。Hibワクチンが定期接種となってから侵襲性インフルエンザ感染症(主に髄膜炎)は減少傾向にあります。
小児だけでなく成人、とくに高齢者でも高リスクの方はワクチン接種を行い、重症肺炎の予防を行うことが必要です。
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