京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第8週:2月19日~25日) No.300
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
インフルエンザの報告数は3週連続で低下し、定点あたり21.98件まで減少しました。しかしながら依然として府内の全地域で警報レベルとなっており、感染は完全に終息していませんので引き続き注意してください。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.21件とよこばいです。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、アメーバ赤痢とカルバペネム耐性腸内細菌感染症がそれぞれ2件、水痘(入院例)が1件、梅毒が3件報告されました。
また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が2件、眼科定点の報告として、急性出血性結膜炎が1件、流行性角結膜炎が6件報告されました。
水痘(入院例)の報告がありました。9歳以下の患者が90%以上を占める小児の病気「水ぼうそう」で、毎年冬から春にかけて流行がみられます。2014年9月から小児科定点からの報告は継続のまま、24時間以上の入院を要した水痘症例が全数届出対象となりました。他疾患で入院中に発症し、その後24時間以上入院した症例も届出対象となっています。
水痘は水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus: VZV)の初感染によって発症し、小児では一般に軽症ですが、多数の合併症が存在し、将来の帯状疱疹の発症リスクなどもあるウイルス感染症です。典型例では、発疹は紅斑から始まり、水疱、膿疱を経て痂皮化して治癒します。発疹の出現前から発熱を認め、出現後も約6日間は感染性があるとされていますので、この間の二次感染にご注意ください。重症のハイリスク群として15歳以上、乳児期後半、免疫不全患者、妊婦等が挙げられます。予防に有効な水痘ワクチンが2014年10月から定期接種化され、生後12か月~生後36か月に至るまでに3か月以上(標準的には半年から1年)の間隔をおいて2回の接種を行うことになっています。
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