京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント              

(2018年第9週:平成30年2月26日~3月4日) No.301

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

インフルエンザの報告数は今週も低下し、定点あたり17.91件まで減少しました。全国的にも流行はピークアウトしており定点あたり報告数は17.42件でした。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.09件とよこばいです。その他の感染症の報告も先週までと比べて著変ありません。

全数報告対象の感染症は、結核が8件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件、百日咳が1件報告されました。また、基幹定点からロタウイルスによる感染性胃腸炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が5件報告されました。

侵襲性肺炎球菌感染症は、肺炎球菌による髄膜炎や菌血症、敗血症といった重症の病態です。成人では、発熱、咳嗽、息切れを初期症状とした菌血症を伴う肺炎が多くみられますが、小児では、成人と異なり肺炎を伴わず、発熱のみを初期症状とした感染巣のはっきりしない菌血症例が多くみられます。

また細菌性髄膜炎の主な原因菌の一つとなっています。治療はペニシリン系抗菌薬が第一選択です。耐性菌を増やさないために、ペニシリン耐性肺炎球菌に有効な抗菌薬の使用や薬剤感受性試験に基づいた最適な抗菌薬の使用が推奨されています。予防には、肺炎球菌ワクチンの接種が有効です。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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