京都府感染症情報センターからの

京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第12週:平成30年3月19日~25日)No.304

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

今週、インフルエンザの報告数は定点あたり4.22件となり府内のすべての地域において警報レベル以下となりました。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.00件とよこばいです。その他の感染症の報告も先週までと比べて著変ありません。

全数報告対象の感染症は、結核が7件、レジオネラ症が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が8件 報告されました。

2017/2018シーズンのインフルエンザの報告者数は例年に比べ大きく上回りました。ピークであった2018年第5週の全国での定点あたりの報告数は54.33件と1999年4月以降最高となっています。定点医療機関からの報告をもとにした、全国の医療機関を受診した患者数の推計も、2018年第3週から第6週の期間で推計約239~283万人と、近年のピーク時に観察される、週間200万人前後を大きく上回りました。今シーズン第10週までの累積推計受診者数は約2104万人でした。同様に累積入院患者数は18653例とこちらも近年を上回っており、特に70歳以上の高齢者が9955例(53%)を占めました。

近年は、AH3亜型もしくはAH1pdm09亜型が1年間隔で流行の主体となっていたが、今シーズンは、流行の開始頃からB型の割合が高く、B型が流行の主体となっていることが特徴でした。過去にもB型が多くみられた年は大きな流行シーズンとなっています。今年のピークは過ぎましたが、日ごろからの手洗い、うがいなどの手指衛生を徹底し、咳エチケットを守りましょう。

 

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