京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第14週:平成30年4月2日~8日)No.306
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.56件とやや増加しました。京都市左京区の警報レベルは持続しています。その他の感染症の報告も先週までと比べて著変ありませんが、突発性発疹と水痘が報告数上位に入っています。
全数報告対象の感染症は、結核が12件、レジオネラ症が1件、侵襲性インフルエンザ菌感染症と水痘(入院例)がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が5件報告されました。また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が3件、流行性角結膜炎が3件報告されました。
水痘(入院例)の報告がありました。9歳以下の患者が90%以上を占める小児の病気「水ぼうそう」で、毎年冬から春にかけて流行がみられます。水痘は水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus: VZV)の初感染によって発症し、小児では一般に軽症ですが、多数の合併症が存在し、将来の帯状疱疹の発症リスクなどもあるウイルス感染症です。
典型例では、発疹は紅斑から始まり、水疱、膿疱を経て痂皮化して治癒します。発疹の出現前から発熱を認め、出現後も約6日間は感染性があるとされていますので、この間の二次感染にご注意ください。重症のハイリスク群として15歳以上、乳児期後半、免疫不全患者、妊婦等が挙げられます。
予防に有効な水痘ワクチンが2014年10月から定期接種化され、生後12か月~生後36か月に至るまでに3か月以上(標準的には半年から1年)の間隔をおいて2回の接種を行うことになっています。
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