京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第24週:平成30年6月11日~6月17日)No.316
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、6.27件と先週から減少しました。京都市左京区での警報レベルは継続しています。その他の感染症の報告も先週までと比べて著変ありません。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、レジオネラ症が2件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症と百日咳がそれぞれ1件 報告されました。また、基幹定点の報告として、流行性角結膜炎が6件報告されました。
腸管出血性大腸菌は、汚染された水や食品(肉、野菜等)などを介して経口感染し食中毒の原因となることが知られており、溶血性尿毒症症候群(HUS)など重篤な合併症を引き起こすこともあります。例年6月から10月頃までの夏場に多く報告されています。少量の菌で感染しうるため、患者や保菌者の便から2次感染します。食肉を十分加熱処理し、細菌を死滅させることが最も重要ですが、調理の途中で調理器具や食品が汚染されることにより食中毒につながります。
そのため、調理器具の消毒・手入れなどの衛生に留意することも食中毒の予防に重要です。食事前の手洗いを十分に行うことでヒトからヒトへの2次感染を予防してください。また、腸管出血性大腸菌に限らず細菌による食中毒は夏期に多くなっていますのであわせて注意してください。
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