京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第28週:平成30年7月9日~7月15日)No.320
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、3.96件と先週からさらに減少しました。京都市左京区での警報レベルは継続しています。また食中毒注意報は継続して発令されており、引き続き食べ物の管理には気を付けてください。また手足口病が定点あたり1.81件と増加しています。京都市右京区では定点あたり5.98件と今週も警報レベルとなっており注意が必要です。その他の感染症は先週までと比べて著変ありません。
全数報告対象の感染症は、結核が10件、E型肝炎が1件、A型肝炎とレジオネラ症がそれぞれ2件、後天性免疫不全症候群・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点の報告として、マイコプラズマ肺炎が2件、流行性角結膜炎が7件報告されました。
夏風邪として知られるヘルパンギーナ、手足口病が徐々に増加してきています。咽頭結膜炎とともに夏風邪として知られている3種の病気ですが、いずれも感染力の強い疾患です。
ヘルパンギーナは、38度を超える発熱と咽頭の水泡が特徴です。発熱は1-2日で低下しますが、水泡が破れると疼痛を伴いますので、食事や水分摂取が低下し脱水に注意が必要です。手足口病は、先週もコメントした通り、手足や口に水泡ができ爪がむけるなどの症状がでることもあります。プール熱ともいわれる咽頭結膜炎では、風邪の症状に加えて充血や眼脂があらわれます。
いずれの疾患も対処療法で改善しますが、髄膜炎や脳炎、心筋炎などを合併することがあるので注意してください。また発熱や水分摂取不良により脱水が進行することがありますので口当たりのよいものをとるようにしてあげてください。
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