京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2018年第35週:平成30年8月27日~9月2日)No.327

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、2.53件、手足口病は定点あたり0.92件とよこばいです。RSウイルス感染症は定点あたり1.52件とやや増加しています。その他の感染症は先週までと比べて著変ありません。

全数報告対象の感染症は、結核が3件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、A型肝炎とレジオネラ症が1件、アメーバ赤痢・カルバペネム耐性腸内細菌感染症・急性脳炎・劇症型溶血性レンサ球菌感染症感染症と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、百日咳と風しんがそれぞれ2件 報告されました。また、基幹定点の報告として、流行性角結膜炎が5件報告されました。

先週に続き首都圏で風疹患者が急増しています。8月20日から26日の間に新たに84人の患者が報告されており、京都府でも今週2人の報告がありました。全国的に男性患者数が女性患者数を大きく上回り、多くはワクチン接種歴がないか不明の30-50代です。妊娠20週ころまでの女性が風疹ウイルスに感染すると胎児にも風疹ウイルスが感染し、先天性風疹症候群の児がうまれる可能性があります。2012-2013年の大流行の際は全国で1万6千人を超える患者が出たうえに、45人の赤ちゃんに先天性風疹症候群の障害がみられました。

女性は妊娠前に2回の風疹含有ワクチンをうけておくこと、さらに妊婦の周囲の方もワクチン接種を行うことが重要です。30~50代の男性で風疹の罹患歴がなく、母子手帳でワクチン接種歴が不明な場合は早めにワクチンを接種しましょう。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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