京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第36週:平成30年9月3日~9月9日)No.328
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、3.62件、RSウイルス感染症は2.35件といずれも増加しています。その他の感染症は先週までと比べて著変ありません。
全数報告対象の感染症は、結核が4件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、カルバベネム耐性腸内細菌感染症が1件、風しんが2件報告されました。
また、基幹定点から、マイコプラズマ肺炎が 1件、眼科定点から、流行性角結膜炎が5件報告されました。
風しんの報告が続いています。感染後2週間で、発熱、発疹、リンパ節腫脹などの症状がほぼ同時に出現します。発疹は粟粒大の丘疹で、全身に出ますが、数日で色素沈着を残さず消失します。眼の結膜充血が特徴的です。多くの例で、口腔内にForchheimer spots(フォルヒハイマー斑)という点状紅斑・紫斑が見られます。同様の症状を示す疾患は多く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難です。特に成人では修飾麻疹のように非特異的な症状を示すものもあります。発疹の症状が出た際は、風疹、麻疹を念頭に置いて診断することが重要です。
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