京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第42週:平成30年10月15日~10月21日)No.334
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、2.90件と微増、その他の感染症も先週から減少しています。乙訓で水痘が定点あたり1.25件、京都市下京区で1.00件発生しており注意報レベルとなっています。
全数報告対象の感染症は、結核が15件、レジオネラ症が2件、急性弛緩性麻痺・侵襲性肺炎球菌感染症と風しんがそれぞれ1件、百日咳が3件報告されました。また、基幹定点の報告として、細菌性髄膜炎が1件、マイコプラズマ肺炎が3件、流行性角結膜炎が8件報告されました。
10月23日に国立感染症研究所から「風疹流行に関する緊急情報」が発表されました。2018年の1-41週までの風疹患者累積報告数は1289人となり2013年、2012年に次いで過去3番目に多い報告数となっています。人口100万人あたりの患者報告数は、全国で10.1人となり千葉県の37.6人を筆頭に東京都、神奈川県、茨城県、埼玉県と続いています。首都圏での風疹報告者数が増加する一方で、それ以外の地域からの報告も増加しており、41週時点で報告がない県は6県のみです。報告された風疹患者の症状のうち、発熱、発疹、リンパ節腫脹の3主徴すべてが報告されたのは54%でした。患者の96%が成人で男性は女性の5倍と多く、そのうち63%を30-40代が占めていました。一方女性全体の59%が妊娠出産年齢である20-30代であり、先天性風疹症候群が危惧されます。毎年行われている感染症流行予測調査の2017年度の結果では、妊娠出産年齢の女性の抗体保有率は95%以上と高いですが、妊婦のウイルス感染には注意が必要です。風疹はワクチンで予防可能な感染症です。積極的に検査、接種をお願いします。
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