京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第14週:平成31年4月1日~平成31年4月7日)No.357
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎が定点あたり5.89件と増加しています。その他の感染症は大きな変化はありません。乙訓と京都市右京区での伝染性紅斑は、今週も引き続き警報レベルとなっています。また、水痘は京都市上京区で定点あたり1.00件、乙訓で定点あたり1.67件と注意報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が10件、レジオネラ症が1件、カルバベネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症と百日咳がそれぞれ3件、報告されました。また、基幹定点の報告としてロタウイルスによる感染性胃腸炎が3件、眼科定点の報告で流行性角結膜炎が3件報告されました。
風疹の患者報告数が増加しています。2019年第1~14週の累積患者数は1202人と1000人を超えました。風疹は2013年の流行以降、年間100人前後で推移していましたが、2018年には2937人が報告され、2019年もすでに1000人を超える報告があります。関東地方からの報告が多いですが、京都府からも複数の報告がされています。報告されている風疹患者の中心は、過去にワクチンを受けておらず、風疹ウイルスに感染したことがない、抗体を保有していない集団であり、これらの方々への対策が重要です。また妊娠出産年齢の女性の抗体保有率は95%以上と高値ですが、抗体価が低い方もおられますので、妊娠20週頃までの風疹ウイルス感染には注意が必要です。近年、風疹患者の中心は小児から成人へとうつっており、先天性風疹症候群の予防のためにも女性は妊娠前2回の風疹ワクチンを接種し、さらに周囲の方のもワクチン接種を行うことが重要です。風疹はワクチンで予防可能な疾患です。
厚生労働省はこれまで風疹の定期接種を受ける機会のなかった男性を対象に抗体検査とワクチン接種を行うことを発表しましたので、お住いの自治体ホームページなどで確認してください。京都府風疹情報
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