京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第25週:令和元年6月17日~令和元年6月23日)No.367

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病が先週よりさらに増加し定点あたり9.66件と報告されました。南丹15.00件、中丹東10.80件、中丹西10.33件、乙訓9.50件と報告されており京都市でも10.65件となっています。伝染性紅斑は、引き続き、乙訓、京都市左京区、右京区、伏見区、南区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が、乙訓で警報レベルとなっています。また中丹西では、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり5.67件と警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が10件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、レジオネラ症が4件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が1件、百日咳が5件報告されました。

また、基幹定点の報告として、無菌性髄膜炎とマイコプラズマ肺炎がそれぞれ2件、感染性胃腸炎(ロタウイルス)が1件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が10件報告されました。手足口病は、報告数がさらに増加し感染が拡大しています。また伝染性紅斑も一部の地域で流行が継続しています。

伝染性紅斑(erythema infectiosum)は、ヒトパルボウイルスB19(Human parvovirus B19)による感染症であり、幼児、学童の小児を中心にみられる流行性の発疹性疾患です。典型例では、両頬に蝶形紅斑が出現し、リンゴのように赤くなることから「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもありますが、本疾患の約4分の1は不顕性感染です。感染経路は、通常は飛沫感染もしくは接触感染です。感染後10~20日の潜伏期間を経て両頬の境界鮮明な紅斑が出現し、続いて腕、脚部にも網目状・レース様の発疹がみられます。感染後1週間前後でインフルエンザ様の症状がでますが、発熱は軽度です。成人では頬の紅斑は少なく、風疹との鑑別が必要になります。

妊娠している方やその可能性のある方は、感染により胎児水腫や流産を起こす場合があります。

流行地域の家庭内で調子を崩している小児を妊婦がケアをする場合においては、手洗いの通常以上の徹底や、食器の共有をしないなど注意してください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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