京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第27週:令和元年7月1日~令和元年7月7日)No.369
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
手足口病が先週よりさらに増加し、定点あたり11.21件と報告されました。丹後と京都市北区、下京区以外のすべての地域で警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区、右京区、上京区、伏見区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が乙訓で警報レベルとなっています。また中丹西では、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり4.33件と引き続き警報レベルとなっています。京都市中京区では、ヘルパンギーナが警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が9件、腸管出血性大腸菌感染症が5件、レジオネラ症が1件、侵襲性インフルエンザ菌感染症が1件、百日咳が6件報告されました。また、基幹定点の報告として細菌性髄膜炎が1件、無菌性髄膜炎が3件、マイコプラズマ肺炎が4件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が7件報告されました。
関東地方でヘルパンギーナの流行の兆しがみられています。東京都や埼玉県の一部の地域では警報レベルを超えておりさらなる感染拡大が危惧されます。
ヘルパンギーナ、手足口病及び咽頭結膜炎の3つの病気は、夏かぜとして知られており、いずれも感染力の強い疾患です。ヘルパンギーナは、38度を超える発熱と咽頭の水泡が特徴で、発熱は1-2日で低下しますが、水泡が破れると疼痛を伴いますので、食事や水分摂取が低下しがちとなり、脱水に注意が必要です。手足口病は、手足や口に水泡ができ、爪がむけるなどの症状がでることもあります。プール熱ともいわれる咽頭結膜炎では、かぜの症状に加えて充血や眼脂があらわれます。
いずれの疾患も対症療法で改善しますが、髄膜炎や脳炎、心筋炎などを合併することがあるので注意してください。また発熱や水分摂取不良により脱水が進行することがありますので口当たりのよいものなどで水分をしっかりとれるようにしてあげてください。
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