京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第32週:令和元年8月5日~令和元年8月11日)No.374
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は、定点あたり2.72件、手足口病は、1.36件と報告されています。手足口病は、乙訓と京都市伏見区のみ引き続き警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、乙訓、京都市左京区、南区、右京区、伏見区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が、乙訓で定点あたり3.75件と警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が11件、カルバペネム耐性腸内細菌科腸内細菌感染症・劇症型溶血性レンサ球菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症・播種性クリプトコックス症と風しんがそれぞれ1件、百日咳が4件報告されました。また、眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が4件報告されました。
百日咳は、けいれん性の咳発作を特徴とする5類感染症であり、主に小児期にみられます。しかし、ワクチン接種をしていない方や、接種後免疫の低下した成人でも発症がみられるため注意が必要です。近年の特徴として、小学校高学年以上の患者が増加しており、2019年30週の全国の報告でも10代が105例と最も多くなっています。
2017年12月31日までは、指定届出機関である全国約3,000カ所の小児科定点医療機関が週毎に保健所に届け出なければならないとされていましたが、2018年1月1日から、適切な検査診断で百日咳と診断された症例は年齢を問わず全数把握疾患として報告するようにと改正されました。診断した医師は、都道府県知事に対して、患者の年齢、性別等を7日以内に届け出なければならないとされていますのでご協力お願いします。また、学校保健安全法では、第2種感染症に指定されており、咳が止まるまで、もしくは5日間の適正な抗菌薬治療が終了するまでは出席停止となっています。
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