京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第33週:令和元年8月12日~令和元年8月18日)No.375
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は、定点あたり1.61件報告されています。手足口病は、乙訓と京都市伏見区のみ引き続き警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、デング熱が1件、レジオネラ症が2件、侵襲性インフルエンザ菌感染症が1件、百日咳が2件報告されました。また、基幹定点から無菌性髄膜炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が3件報告されました。
侵襲性インフルエンザ菌感染症の報告がありました。侵襲性インフルエンザ菌感染症は、グラム陰性短桿菌であるインフルエンザ菌が血液や髄液から検出されるものです。インフルエンザ菌は、幼児と高齢者に多くみられ、小児では保菌率が高く髄膜炎、敗血症、中耳炎、副鼻腔炎等の原因となることが知られています。我が国では、2008年12月にHibワクチンの任意接種がはじまり、2013年4月の予防接種法改正にともない定期接種のひとつとなっています。Hibワクチンが定期接種となってから、侵襲性インフルエンザ菌感染症(主に髄膜炎)は減少傾向にあります。小児だけでなく成人、とくに高齢者など高リスクの方はワクチン接種を行い重症肺炎の予防を行うことが必要です。
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