京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第46週:令和元年11月11日~令和元年11月17日)No.388

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎が定点あたり2.73件、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が1.74件と増加しています。またインフルエンザが定点あたり0.72件報告されています。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。中丹西でA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり8.00件と警報レベルとなっています。また、南丹、乙訓、京都市左京区で水痘が注意報レベルとなっています。京都市南区での伝染性紅斑は定点あたり1.67件とさらに増加し、警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が9件、レジオネラ症が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件、百日咳が1件報告されました。基幹定点の報告として、無菌性髄膜炎が1件、マイコプラズマ肺炎が3件報告されました。また眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が2件報告されました。 肺炎球菌は、小児、成人の肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などの原因になります。成人の市中肺炎の20%は、肺炎球菌が原因といわれています。肺炎球菌は、大半は菌血症を伴いませんが、ときに髄膜炎や菌血症を伴う肺炎を引き起こすことがあり、侵襲性肺炎球菌感染症とよばれます。侵襲性肺炎球菌感染症は、小児と高齢者に多く2013年4月から2017年12月までの報告では全患者に対する5歳未満と65歳以上の割合はそれぞれ17%、56%でした。

予防には手洗い等標準予防策に加えて、予防接種が有効です。小児及び65歳以上の成人に対しては、定期予防接種として実施されています。

 

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