京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第51週:令和元年12月16日~令和元年12月22日
2019年第52週:令和元年12月23日~令和元年12月29日)No.393
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
インフルエンザは定点あたり19.6件、感染性胃腸炎が定点あたり6.01件と急増しています。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。インフルエンザは、京都市左京区で37.71件、南丹で36.89件と警報レベルとなっています。その他京都市北区を除くすべての地域で注意報レベルとなっています。咽頭結膜熱が、乙訓と京都市右京区で警報レベルとなっています。中丹西と乙訓でA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が警報レベルとなっています。水痘が京都市左京区で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が11件、デング熱が1件、レジオネラ症が2件、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が3件、侵襲性肺炎球菌感染症が5件、百日咳が1件報告されました。基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が2件報告されました。
京都府のほぼすべての地域でインフルエンザの報告数が注意報レベル以上となっています。日本は、世界最大の抗インフルエンザ薬使用国であり、薬剤耐性は重要な問題となっています。全国地方衛生研究所と国立感染症研究所では、ノイラミニダーゼ阻害薬のオセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ペラミビル(ラピアクタ)およびラニナミビル(イナビル)等に対する薬剤耐性株サーベイランスを実施しています。2019/2020シーズンの調査では、H1N1に対してオセルタミビル、ペラミビルの耐性株がそれぞれ2.2%ずつ報告されています。耐性株の出現を防ぐため用法、用量を守った治療を行ってください。
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