京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第15週:令和6年4月8日~令和6年4月14日)No.615
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
今週のコメント:2024年第15週の報告です。
定点報告対象の疾患では、京都市右京区のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎は定点当り報告数5.8件で今週も警報レベルが継続しています。水痘は乙訓で定点当り2.5件報告され、警報レベルになっています。そのほか、京都府全体のRSウイルス感染症の報告数が第12週から少しずつ増加しており、今週は1.87件になりました。全数報告対象の感染症は、結核が6件、百日咳が2件報告されました。また、基幹定点の報告はありませんでしたが、眼科定点の報告として流行性角結膜炎が3件報告されました。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、学童期の小児に最も多いとされ、主に冬季および春から初夏にかけて流行が見られます。症状としては、発熱、咽頭痛の他、皮膚の発疹や舌がイチゴ状に赤くなる症状を呈することがあります。A群溶血性レンサ球菌は上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられ、菌の侵入部位によって多彩な症状を引き起こします。さらに劇症型溶血性レンサ球菌感染症という重篤な病態を生じることもあります。
予防としては「手洗い」、「うがい」、「マスク」といった基本的な感染予防対策をしっかり行ってください。
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/