京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第19週:令和6年5月6日~令和6年5月12日)No.619

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:2024年第19週の報告です。

連休があけて、全数・定点とも全体に報告が増えてきました。

先週に引き続き、定点報告対象疾患の咽頭結膜熱は今週も山城南と乙訓で警報レベルが続いています。年齢別では1,2歳の感染が特に多くみられます。標準予防策の取りにくい年齢ではありますが、引き続き感染対策に努めてください。RSウイルスはようやく減少傾向に入ったようです。

全数報告対象の感染症は、結核が 5 件、デング熱レプトスピラ症が各1件、レジオネラ症が3件報告されました。またカルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症侵襲性肺炎球菌感染症水痘(入院例)梅毒が1件報告されました。また、眼科定点から流行性角結膜炎が5件報告されました。

またデング熱の報告が先週に引き続きありました。デング熱は主に熱帯・亜熱帯でみられる蚊により媒介される疾患で、アジアでは昨年から今年にかけて感染の急増がみられています。また南米でも今年に入ってからの感染者はすでに過去最大の年間感染者数を更新しています。死亡率は高くありませんが、まれにデング出血熱など重症化して死に至ることがあります。感染流行地に渡航する際は、野外活動では長袖・長ズボンを着用し、素足は避け、虫除け剤を使用し、設備の整った宿に泊まるなど蚊に刺されないようにして下さい。帰国後に発熱や発疹がみられた場合は、医療機関を受診する際に渡航歴を伝えてください。

ワクチンはまだ日本では承認は下りていませんが、武田薬品工業が開発したデング熱ワクチン「QDENGA®」が2024年5月15日に世界保健機関(WHO)により事前承認されるなど、世界では接種の輪が広がっています。

 

 

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