京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第26週:令和6年7月1日~令和6年7月7日)No.627
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第27週の報告です。 今週も手足口病は全国・京都府ともに警報レベル。全国の定点当りの報告数は8.45→11.46と大きく増加しました。府内では中丹西は1.0まで減少し警報基準値を下回りましたが、その他の警報レベルの保健所では今週もそのまま継続して警報レベルです。さらに、報道されているように、COVID-19も増加中です。
乙訓と山城南の咽頭結膜熱と京都市右京区のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎は今週も警報レベル、水痘が京都市右京区・伏見区、南丹、中丹東で注意報レベルです。
全数報告対象の感染症は、結核が9件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、A型肝炎とレジオネラ症が各1件報告されました。侵襲性髄膜炎菌感染症・カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症と播種性クリプトコックス症が各1件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症が各2件、梅毒と百日咳が各3件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が10件、感染性胃腸炎(ロタウイルス)が1件報告されました。眼科定点からは流行性角結膜炎が7件報告されました。
百日咳の報告が3件ありました。百日咳はけいれん性の咳発作を特徴とする疾患です。百日咳菌による急性気道感染症で、抗菌薬で治療をします。生後6 カ月以下の乳児では重症化して肺炎や脳炎を起こし、死に至る危険性もあります。ワクチンが有効で現在定期接種となっています。これにより乳幼児の感染は減少しましたが、ワクチンの接種歴のある児童・成人の間でも流行が散発的にみられます。ワクチン既接種の場合、典型的な症状ではなく持続する咳のみのことも多く、気づかないうちに周囲に二次感染する可能性があります。特に乳児に接する機会の多い方や出産予定の方は、咳が続く際は早めの医療機関の受診をお願いします。百日咳は学校保健安全法によって学校において予防すべき感染症の第二種に分類されており、特有の咳が止まるまで、もしくは5日間の適正な抗菌薬治療が終了
するまで出席を停止することとされています。(ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。)
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
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