京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第36週:令和6年9月2日~令和6年9月8日)No.636
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第36週の報告です。
7月中旬から減少傾向にあった手足口病ですが、34週以後再び増え続け、今週の定点当りの報告数は7.18になりました。京都府の地域別の定点当り報告数は乙訓が23.25、京都市でも南区・西京区・伏見区では17.50・13.00・12.86と高い値となっています。また、山城南では6.75に増え、新たに警報レベルになりました。流行拡大を防止するため、うがいや咳エチケットに努めつつ、流水と石けんで十分に手を洗ってください。排泄物は適切に処理してください。周囲の消毒は通常のアルコール消毒ではなく、酸性アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを用いてください。
全数報告対象の感染症は、結核が7件、腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました。デング熱が1件報告されました。梅毒が1件、百日咳が2件報告されました
また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が6件報告されました。眼科定点の報告はありませんでした。
今週は府内4例目のデング熱の報告がありました。デング熱は蚊媒介感染症の一つで急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。主に熱帯・亜熱帯地域で流行しており、これまでの4名の方はいずれも流行地域への渡航歴がありました。
蚊媒介感染症はジカ熱・日本脳炎・マラリアなど他にも知られています。いずれも熱帯・亜熱帯地域が主な流行地域ですが、国際的な人の移動や気候変動などで流行地域や患者数は拡大・増加しています。少し朝晩涼しくなり蚊の活動も活発化しています。日頃から蚊にかまれないよう虫除け剤を適宜用い、幼虫が発生しそうな周辺の水たまりの除去・清掃をしましょう。下草を刈るなども有効です。日本脳炎はワクチンで予防が可能で、定期接種の対象です。その他詳しい情報はこちらをご確認ください。蚊媒介感染症|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
日本脳炎ワクチン:日本脳炎|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/