京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第37週:令和6年9月9日~令和6年9月15日)No.637
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第37週の報告です。
7月中旬から減少傾向にあった手足口病ですが、34週以後再び増え続け、今週の定点当りの報告数は8.12になりました。京都府の地域別の定点当り報告数は乙訓が20.25、京都市でも山科区、南区・西京区・伏見区では13.40、13.75・20.60・11.57と高い値となっています。また、中丹東では5.00に増え、新たに警報レベルになりました。流行拡大を防止するため、うがいや咳エチケットに努めつつ、流水と石けんで十分に手を洗ってください。排泄物は適切に処理してください。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、マラリアが1件、レジオネラ症が1件報告されました。梅毒が2件、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症が1件、百日咳が1件報告されました。
また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が20件、細菌性髄膜炎が1件報告されました。眼科定点から流行性角結膜炎が6件報告されました。
マイコプラズマ肺炎の拡大が続いています。マイコプラズマ・ニューモニエという細菌の一種が感染することで発症します。主に小児や若年者の報告が多く、潜伏期間は通常2~3週間です。主な症状は発熱、長引く(3~4週間)咳ですが、時に肺炎等を引き起こして重症化し、入院加療が必要になることがあります。感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。現時点で有効なワクチンはありません。手洗い・うがい・咳エチケット等で予防しましょう。治療は症状が重い場合にマクロライド系などの抗生剤が用いられます。長引く咳などの症状がある場合は、医療機関を受診してください。
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/