京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第40週:令和6年9月30日~令和6年10月6日)No.640
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第40週の報告です。
手足口病の警報レベルは、今週も全国・京都府で継続中です。京都府の定点当り報告数は37週から少しずつ減少していますが、全国は38週から微増が続いています。京都府内では先週の警報レベルの地域はすべて今週も警報レベルです。感染性胃腸炎の定点当り報告数が、先週の1.25から今週2.07に増加しました。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症が3件、レジオネラ症が3件、梅毒が4件、百日咳が1件報告されました。基幹定点はマイコプラズマ肺炎が今週も16件の報告がありました。眼科定点は流行性角結膜炎が4件報告されています。
府内のレジオネラ症の年間の報告数は15年前と比較すると1.5~2倍に増加しています。一つには近年の検査法の開発・普及が挙げられますが、厚生労働省によると海外旅行中に感染した例も増えているようです。レジオネラ・ニューモフィラを代表とするレジオネラ属菌による細菌感染症で肺炎や発熱(ポンティアック熱)を引き起こします。潜伏期間は2-10日間(ポンティアック熱は1-2日)でヒトからヒトへの感染はありません。土壌や水環境に普通に存在する菌で、浴場等の給湯設備や空調の冷却塔、加湿器の中などで増殖します。それらから発生したエアロゾル等を吸引することで感染します。マクロライド系、ニューキノロン系などの抗菌薬が奏功しますが未治療では急激に重症化し死亡する場合もあります。ワクチンはありません。感染源となる給湯設備、冷却塔、浴場、加湿器などの、水環境に対する衛生管理が重要です。
詳しい管理方法は以下をご確認ください。
京都府ホームページ:入浴施設におけるレジオネラ症予防対策について
https://www.pref.kyoto.jp/seikatsu/legi.html
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/