京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第33週:8月14~20日) No.273

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点あたり2.15件とやや増加しています。手足口病は定点あたり0.92件とさらに低下しています。南丹と京都市伏見区のみ警報レベルが続いていますので感染予防に留意してください。

流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、流行性角結膜炎、RSウイルス感染症の発生数は大きく変化はありません。全数報告対象の感染症は、結核が9件、腸管出血性大腸菌感染症が4件、デング熱が1件、レジオネラ症が2件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件、梅毒が1件報告されました。また、眼科定点から急性出血性結膜炎が2件、流行性角結膜炎が9件 報告されました。

腸管出血性大腸菌感染症の報告が相次いでいます。腸管出血性大腸菌感染症はO157 をはじめとするべロ毒素産生性の腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic E. coli,EHEC)で汚染された食物などを経口摂取することによっておこる腸管感染が主体です。無症状から致死的なものまで様々な臨床症状が知られています。特に、腸管出血性大腸菌感染に引き続いて発症することがある溶血性尿毒症症候群(HUS) は、死亡あるいは腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性があります。0157が生息するのは主に家畜の腸内ですが、処理の際に肉の表面に付着することがあります。さらに肉だけでなく流通の過程で野菜などにも広がることがあります。食中毒の発生が増加するこの季節は特に注意が必要です。食品は十分加熱し、調理後の食品はなるべく食べ切るようにしてください。加熱せずに食べる場合はすぐに冷蔵庫に入れ、菌の増殖を防いでください。

 

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