京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第29週:令和6年7月15日~令和6年7月21日)No.629
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
今週のコメント:2024年第29週の報告です。
手足口病は今週も全国・京都府ともに警報レベルですが、定点報告数は5.91まで減少してきました。保健所別でみると、山城南では1.0まで減少し、警報レベルを下回っています。
その他の疾患では咽頭結膜熱は乙訓・山城南で、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は京都市右京区で引き続き警報レベルの報告がされています。水痘は新たに南丹で警報レベル、京都市右京区で注意報レベルになっています。 一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は増え続けています。京都府の定点当り報告数は28週の9.48から13.56の警報レベル、全国総数でも11.18から13.62に増加しました。基本的な感染対策としてマスクの着用を含めた咳エチケット、換気、手洗い・手指消毒が有効です。マスクは熱中症に注意してください。帰省等で高齢の方など重症化リスクの高い方と会う場合や大人数で集まる場合は感染予防を心がけ体調を整えるようにしましょう。医療機関を受診する患者さんも増えています。自宅で抗原検査キットや解熱剤などを準備しておくと安心です。電話相談窓口*(#7119(救急要請相談)、#8000(こども医療相談) 厚生労働省|上手な医療のかかり方.jp (mhlw.go.jp))もご活用ください。
全数報告対象の感染症は、結核が3件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、エムポックスとマラリアが各1件報告されました。カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症・急性脳炎・侵襲性インフルエンザ菌感染症と百日咳が各1件、梅毒が4件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が9件報告されました。眼科定点から流行性角結膜炎が10件報告されました。
エムポックスの患者は府内では初の報告です。エムポックスは令和5年に感染症法上の名称が「サル痘」から変更されました。アフリカに生息するげっ歯類やサル等との接触、感染者の皮膚病変や飛沫への長時間曝露、使用済の寝具等から
感染します。潜伏期間は通常6~13日(最大5~21日)で、発熱・頭痛・リンパ節腫脹などの症状が0-5日程度持続し、発熱の1-3日後に発疹が出現します。
現在国内で承認された治療薬はありませんが、多くは自然に回復します。詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください(エムポックス(サル痘)について|厚生労働省 (mhlw.go.jp))
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/