京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第4週:平成30年1月22日~28日) No.296

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

インフルエンザの報告数は今週また増加し、定点あたり44.51件となっています。先週に引き続き、府内の全地域で警報レベルとなっており、乙訓では定点あたり65.86件、南丹では62.11件と猛威をふるっています。京都市内でも北区以外の全地域で警報レベルとなっています。先週に比べて定点当たりの報告数の増加速度は減速していますが、大流行中です。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は4.88件と横ばいです。京都市左京区では警報レベルが持続しています。

全数報告対象の感染症は結核が4件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、侵襲性肺炎菌感染症が2件 報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が3件、眼科定点から流行性角結膜炎が3件報告されました。

インフルエンザに対してはウイルス増殖を抑制する有効な治療薬があります。オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、ペラミビル(ラピアクタ)の4種類が現在使用可能となっています。これらは内服、吸入、点滴と投与方法が異なる以外に、投与期間も違います。タミフルは異常行動の報告があるため、10代の患者には基本的に投与されません。また、リレンザやイナビルはうまく吸入できないと効果が出ないため、小児や高齢者では注意が必要です。国立感染症研究所と全国地方衛生研究所が共同で行っている耐性株スクリーニングでは、A(H1N1)pdm09の943株のうち1.0%でオセルタミビル、ベラミビル耐性株が検出されました。これらの結果から、どの治療薬でも効果は得られることが期待されますので、状態にあった治療薬で治療を行ってください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

http://www.pref.kyoto.jp/idsc/