京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第26週:平成30年6月25日~7月1日)No.318
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、5.53件と先週からさらに減少しました。京都市左京区での警報レベルは継続しています。その他の感染症の報告も先週までと比べて著変ありません。
全数報告対象の感染症は、結核が12件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、A型肝炎が2件、レジオネラ症が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件、百日咳が3件報告されました。また、基幹定点から細菌性髄膜炎が1件、マイコプラズマ肺炎が3件、眼科定点から流行性角結膜炎が6件報告されました。
今週はA型肝炎と腸管出血性大腸菌感染症の報告がありました。どちらも経口感染し食中毒の原因となる疾患です。A型肝炎は、海外の汚染された食物や水の摂取のほか国内ではカキやアサリなどの二枚貝を含む魚介類による食中毒の原因となります。腸管出血性大腸菌は少量の菌で感染を引き起こすことが知られ感染者の便から二次感染を起こします。A型肝炎は、ワクチンによる予防が可能なので、流行地域に渡航する際には接種しておくことが大切です。
腸管出血性大腸菌感染症は、これから流行時期に入りますので、調理器具の消毒を入念に行ってください。また、食事前の手洗いうがいを行って2次感染の予防につとめてください。
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