京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第29週:平成30年7月16日~7月22日)No.321
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.06件と先週からわずかに増加しました。京都市左京区での警報レベルは継続しています。手足口病が定点あたり1.94件とさらに増加しています。京都市右京区では定点あたり6.00件と今週も警報レベルとなっており注意が必要です。その他の感染症は先週までと比べて著変ありませんが、ヘルパンギーナはやや増加傾向です。
全数報告対象の感染症は、結核が7件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、レジオネラ症が6件、アメーバ赤痢とクロイツフェルト・ヤコブ病がそれぞれ1件、百日咳が3件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が5件報告されました。
通常秋から冬に流行するRSウイルス感染症ですが、最近では流行時期が前倒しになることがあります。2017年は7月ころから流行が始まり、8月から9月にかけてピークを迎え、年末にかけて減っていくという経過をとりました。原因はよくわかっていませんが、気候が関係しているとの報告もあります。RSウイルス感染症は6か月未満の乳児や先天性の心臓、肺疾患をもっている方、早産時は重症化のリスクが高いので注意が必要です。また、ほぼすべての幼児が2歳までに感染しますが、免疫ができにくいため繰り返し感染することも流行の原因となっています。特に、乳幼児では重症化するおそれがある疾患ですので呼吸器の症状がでた場合は早めに小児科を受診するようにしてください。
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