京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第34週:平成30年8月20日~8月26日)No.326
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、2.64件と増加しています。手足口病は定点あたり0.66件とよこばいですが、京都市伏見区では、警報レベルが続いています。その他の感染症は先週までと比べて著変ありません。
全数報告対象の感染症は、結核が3件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、レジオネラ症が1件、急性脳炎・侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、百日咳が3件報告されました。また、基幹定点の報告として、流行性角結膜炎が5件報告されました。
首都圏で風疹患者が急増しています。2018年第1~33週の風疹患者累積報告数は184人となり、すでに2016,2017年の年間累積報告数を超えています。今回、風疹に感染した患者の多くは過去にワクチンをうけておらず、感染したことがない30代から50代の成人男性であることが報告されています。
また国外での感染が推定される症例は5%と少なく、国内流行の可能性が高いとされています。妊娠20週ころまでの女性が風疹ウイルスに感染すると胎児にも風疹ウイルスが感染し、先天性風疹症候群の児がうまれる可能性があります。妊娠中はワクチン接種ができません。女性は妊娠前に2回の風疹含有ワクチンをうけておくこと、さらに妊婦の周囲の方もワクチン接種を行うことが重要です。30~50代の男性で風疹の罹患歴がなく、母子手帳でワクチン接種歴が不明な場合は、早めにワクチンを接種しましょう。
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