京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2018年第40週:平成30年10月1日~10月7日)No.332

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、3.19件と増加、RSウイルス感染症は1.10件と減少しています。その他の感染症は先週までと比べて著変ありません。

全数報告対象の感染症は、結核が8件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、デング熱が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・急性弛緩性麻痺と風しんがそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症と百日咳がそれぞれ2件。基幹定点の報告として、細菌性髄膜炎が1件、流行性角結膜炎が16件報告されました。

腸管出血性大腸菌感染症が増加しています。第19週から増加しはじめ、第25週には全国で264例が報告されました。第37週までの累積報告数は3002例となり2014年の3226例につぐ報告数となっています。報告が多いのは東京都や埼玉県、神奈川県など首都圏ですが集団発生事例は全国の複数の自治体から報告されています。重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(HUS)は累計52例で女性と低年齢の小児での発症が多いという結果でした。

食肉の十分な加熱処理、食材調理器具の洗浄や手洗いの励行により感染、食中毒予防を行うことが重要です。低年齢の小児や高齢者など抵抗力の弱い方は肉の生食をさけ、十分に加熱してください。大腸菌を死滅させるには中心温度が75℃で1分以上の加熱が必要です。また野菜が原因とされる腸管出血性大腸菌感染症も報告されており十分な洗浄と加熱を行ってください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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