京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第44週:平成30年10月29日~11月4日)No.336
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は3.14件、その他の感染症は先週から著変ありません。
全数報告対象の感染症は、結核が12件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が3件 、侵襲性インフルエンザ菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症と百日咳がそれぞれ1件 、風しんが2件報告されました。また、基幹定点の報告として、マイコプラズマ肺炎が2件、流行性角結膜炎が8件報告されました。
侵襲性インフルエンザ菌感染症の報告がありました。侵襲性インフルエンザ菌感染症はグラム陰性短桿菌であるインフルエンザ菌が血液や髄液から検出されるものです。インフルエンザ桿菌は幼児と高齢者に多くみられますが、小児では保菌率が高く髄膜炎、敗血症、中耳炎、副鼻腔炎等の原因となることがしられています。我が国では2008年12月にHibワクチンの任意接種がはじまり、2013年4月の予防接種法改正にともない定期接種のひとつとなっています。Hibワクチンが定期接種となってから侵襲性インフルエンザ感染症(主に髄膜炎)は減少傾向にあります。小児だけでなく成人、とくに高齢者でも高リスクの方はワクチン接種を行い重症肺炎の予防を行うことが必要です。
Hibワクチンについて (感染症情報センター)
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