京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第47週:平成30年11月19日~11月25日)No.339
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は3.97件となっています。その他の感染症は、先週から著変ありません。京都市左京区で水痘が注意報レベルとなっています。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、つつが虫病とレジオネラ症がそれぞれ1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が2件、百日咳が1件報告されました。また、基幹定点から、マイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が7件報告されました。
今週、つつが虫病が一件報告されました。つつが虫病は、野山でツツガムシというダニに吸着され、リケッチアという細菌の一種に感染することで発症します。つつが虫病では、ダニの吸着後1~2週間してから39度以上の高熱で発症し、ついで体幹を中心として発疹がみられるようになります。頭痛、倦怠感、肝機能検査異常をともなうことが多く、重症例では播種性血管内凝固症候群という合併症をきたし生命に関わる場合があります。
ダニの刺し口は特徴的で黒いかさぶたがついたようになっており、発疹とともにつつが虫病を疑うきっかけになります。なお、つつが虫病は東南アジアなど他地域でも発生しており、海外で感染することもあります。
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