京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第23週:令和元年6月3日~令和元年6月9日)No.365

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点あたり5.66件と減少しました。手足口病が徐々に増加し、定点あたり2.76件となっています。中丹東で定点あたり5.60件となったのをはじめ、京都市右京区、伏見区でも警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が3件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、急性弛緩性麻痺が2件、侵襲性肺炎球菌感染症と百日咳がそれぞれ3件報告されました。

また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が4件と無菌性髄膜炎が1件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が4件報告されました。

急性弛緩性麻痺は、ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症と定義され、多くは何らかの先行感染を伴い、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈します。急性弛緩性麻痺の概念には、急性弛緩性脊髄炎、急性脳脊髄炎、急性脊髄炎、ギラン・バレー症候群、急性横断性脊髄炎、Hopkins症候群等も含まれ、感染症法では、①15歳未満  ②急性の弛緩性の運動麻痺症状を伴って死亡した者、又は当該症状が24時間以上消失しなかった者 ③明らかに感染性でない血管障害、腫瘍、外傷、代謝障害などでないこと、及び痙性麻痺でないこと をすべて満たした場合に届け出が必要となります。診断には血液、髄液、呼吸器由来検体、便、尿が必要です。詳しい届出方法や検体採取についてはホームページを参考にしてください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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