京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第44週:令和元年10月28日~令和元年11月3日)No.386

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は、定点あたり2.46件と増加しています。伝染性紅斑は、京都市左京区、南区で警報レベルとなっています。その他の感染症に大きな変化はありません。全数報告対象の感染症は、結核が13件、レジオネラ症が2件、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症と百日咳がそれぞれ2件報告されました。また、基幹定点の報告として、マイコプラズマ肺炎が2件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が8件報告されました。

今年度は、マダニが媒介する感染症が全国的に多く発生しています。重症熱性血小板減少症候群は、2011年に特定されたSFTSウイルスに感染することによって引き起こされる病気で、発熱や消化器症状、血小板減少による出血傾向などを発症し、重症化することもあります。国内では2013年1月に初めて感染が確認され以後、西日本を中心に報告があります。SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染し、致死率は6.3-30%と報告されています。マダニは屋外に生息しており、家庭内に生息するダニとでは全く種類が異なります。抗ウイルス薬やワクチンはありませんので、草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに咬まれないよう予防することが重要です。森林や草地などから戻ったら、特にわきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部などをチェックし、もし吸血中のマダニに気がついた場合は、自分でとらず医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)を受けてください。

 

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