京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第45週:令和元年11月4日~令和元年11月10日)No.387

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点あたり2.32件、その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。中丹西でA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり8.33件と警報レベルとなっています。京都市東山区で水痘が注意報レベルとなっています。また、南区では伝染性紅斑が定点あたり1.33件と警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が13件、E型肝炎、A型肝炎及びレジオネラ症がそれぞれ1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症及び水痘(入院例)がそれぞれ1件、百日咳が3件報告されました。基幹定点の報告として、無菌性髄膜炎が1件、マイコプラズマ肺炎が4件報告されました。また眼科定点の報告として流行性角結膜炎 が 2件 報告されました。

E型肝炎の報告がありました。E型肝炎は、血液感染を経路とするB型、C型肝炎と異なり、経口感染で広がります。主にアジアなどで水道水の汚染により流行をきたすことが知られています。一方、日本などの先進国では、従来、旅行者の感染が多かったことから輸入感染症とされてきましたが、近年、ジビエ料理などの生食による肝炎の報告がみられるようになりました。感染は一過性で慢性化することはありませんが、まれに劇症化することがあり、特に妊婦では注意が必要です。ワクチンはありませんのでウイルスに汚染された食物や水を避けること、肉は十分な加熱処理を行うことが重要です。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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