京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第25週:6月26~7月2日)
No.266 京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は定点当たり6.04件と先週と比べてやや減少しています。流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。
手足口病は定点あたり4.79件、京都市では4.48件と増加しています。乙訓で8.50件、山城北で6.70件、中丹東で9.00件と他の地域でも報告が増加しており警戒が必要です。京都市内の南区、伏見区、左京区、右京区でも警報レベルが継続しています。
全数報告対象の感染症は結核が8件、レジオネラ症が1件、腸管出血性大腸菌が1件と梅毒が 2件報告されました。また、基幹定点からロタウイルスによる感染性胃腸炎とマイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から急性出血性結膜炎が1件と流行性角結膜炎が8件報告されています。
腸管出血性大腸菌感染症は例年夏期を中心に発生しますが、5月頃から10月頃までが流行期とされています。腸管出血性大腸菌は汚染された水や食品(生肉、野菜など)などを介して経口感染し、またわずか50個ほどの菌で感染しうるため、患者や保菌者の便からの二次感染にも注意が必要です。
感染者の内の6~7%の頻度で合併症として溶血性尿毒症症候群(HUS)や急性脳症を併発し、致死率は1~5%に上ります。高温、高湿度になるこの時期は食中毒の危険が高まるため食物管理にも注意してください。
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