京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第27週:7月3~9日) No.267
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
今週は手足口病が最も報告数が多い感染症となりました。定点あたり6.46件と先週から大きく増加しています。医療圏別にみると中丹東の10.60件、乙訓の9.25件をはじめ、南丹、山城北で警報レベルとなっています。京都市内でも伏見区の12.29件、右京区の11.60件、左京区の10.00件をはじめ南区でも警報レベルとなっています。これまでも、手足口病の流行について注意喚起してきましたが、全国的に流行が続いています。京都府でも大流行した2015年に匹敵する流行が予測されます。
感染性胃腸炎、流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。
全数報告対象の感染症は結核が5件、レジオネラ症が2件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が 1件、梅毒が2件 報告されました。また、眼科定点からは流行性角結膜炎が7件報告されています。
手足口病は基本的な症状は軽度の発熱と水疱性の発疹のみで、経過良好な疾患です。しかし、まれに重症化すると髄膜炎や脳炎を合併することがあります。高熱が2日以上続いたり、頭痛、嘔吐、呼びかけに答えずにぐったりしているといった様子がみられた場合はすぐに医療機関を受診してください。
流行拡大を防ぐため、手洗いを十分行い、排泄物の処理は適切に行ってください。タオルの共用はやめましょう。
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