京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2022年第4週:令和4年1月24日~令和4年1月30日)No.501

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和4年第4週の報告です。感染性胃腸炎が定点あたり4.84件と減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。全数報告対象の感染症は、結核が10件、梅毒が3件報告されました。また、基幹定点も眼科定点も報告はありません。

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況については こちらをご覧ください

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

 

京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2022年第3週:令和4年1月17日~令和4年1月23日)No.500

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和4年第3週の報告です。感染性胃腸炎は定点あたり6.68件と増加しました。3週間前より徐々に増加しています。その他の感染症は大きな変化はありません。全数報告対象の感染症は、結核が7件、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が1件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点の報告は流行性角結膜炎が1件報告されました。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2022年第2週:令和4年1月10日~令和4年1月16日)No.499

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎が定点あたり6.03件と増加しています。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。

全数報告対象の感染症は、結核が5件、腸管出血性大腸菌感染症が1件 、侵襲性肺炎球菌感染症が 2件報告されました。

基幹定点の報告はありません。また眼科定点の報告もありません。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2022年第1週:令和4年1月3日~令和4年1月9日)No.498

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和4年第1週の報告です。

感染性胃腸炎は定点あたり4.08件とわずかに増加しました。その他の感染症はいずれも減少もしくはほとんど変わりません。

全数報告対象の感染症は、結核が5件、A型肝炎が1件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点の報告もありません。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第52週:令和3年12月27日~令和4年1月2日)No.497

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第52週の報告です。

感染性胃腸炎は定点あたり3.62件と減少しました。手足口病も定点当たり0.38件と減少しました。全数報告対象の感染症は、結核が3件、レジオネラ症が2件、アメーバ赤痢と梅毒がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点の報告は流行性角結膜炎が1件報告されました。

 

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(2021年第51週:令和3年12月20日~令和3年12月26日)No.496

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第51週の報告です。感染性胃腸炎が定点あたり9.78件と増加しました。手足口病は定点あたり1.08件と減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。咽頭結膜熱は中丹西で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が8件、ウイルス性肝炎が1件、梅毒が5件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点では流行性角結膜炎が2件報告されました。

 

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(2021年第50週:令和3年12月13日~令和3年12月19日)No.495

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第50週の報告です。感染性胃腸炎が定点あたり8.38件とわずかに減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。感染性胃腸炎は京都市伏見区と乙訓で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が5件、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が1件、梅毒が4件報告されました。また、基幹定点では、細菌性髄膜炎が1件報告されました。眼科定点では流行性角結膜炎が2件報告されました。

 

<今週の感染症クローズアップ>結核
昔は労咳とも言いましたが、古代エジプトから存在し、日本では弥生時代後期から有ると言われております。また、新撰組の沖田総司、詩人の正岡子規、小説家の樋口一葉、歌人の石川啄木など結核で亡くなった有名人は多数おられます。近年ではタレントのJOYさんやお笑いコンビ・ハリセンボンの箕輪はるかさんも結核を発症されましたが、適切な治療により今は元気に働いておられます。

 

疫学
結核は、100年前は死因第一位でした。昨年度は悪性新生物、心疾患、老衰が死亡率上位3位であり、結核は20位以下に低下しています。結核は、患者数及び罹患率(人口あたりの新規結核患者数)が減少しているものの、今でも年間10,000人以上の新しい患者が発生し、約2,000人が死亡する日本の主要な感染症です。

-「緊急事態宣言」-この言葉を聞くと新型コロナを想像されるかもしれませんが、1999年に厚労省はそれまで減少していた結核の罹患率が上昇に転じたため、「結核緊急事態宣言」を発しました。現在も宣言は継続されており、毎日約50人の新しい結核患者が発生しており、決して過去の感染症ではありません。

 

病原体と病態

結核は結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) により引き起こされます。結核菌の好発部位は肺ですが、全身の臓器・器官に感染します。

感染経路

感染経路:空気感染が主で、結核を発症したヒトが咳をすることで空気中に結核菌が飛散し、飛沫核となって長時間にわたって浮遊し、それを吸い込むと感染します。

 

症状

結核の症状は、3週間以上続く長引く咳、たん、微熱、体のだるさなどが挙げられます。初期症状は,風邪のような症状です。全身倦怠感食欲不振、体重減少、37℃前後の微熱が長期間にわたって続きます。

 

診断方法

結核菌に感染しているかどうかは、血液検査(インターフェロンγ遊離試験)で、結核菌を排出しているかは、痰の塗抹検査や培養、そして核酸増幅法があります。

 

治療

治療は、イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトール(またはストレプトマイシン)の4剤併用薬物療法を行います。一度発症した場合は、6?9ヶ月の投薬療法が一般的です。 治療を正確に完了した場合、再発率は5%未満ですが、治療中断は耐性結核菌の原因となり、難治性となります。

 

☆ポイント:3週間以上続く咳と微熱があれば、医療機関を必ず受診。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第49週:令和3年12月6日~令和3年12月12日)No.494

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

令和3年第49週の報告です。感染性胃腸炎が定点あたり8.62件と増加しました。手足口病は定点あたり1.66件と減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。感染性胃腸炎は京都市伏見区と乙訓で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核11件、腸管出血性大腸菌感染症が4件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点では流行性角結膜炎が1件報告されました。

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第48週:令和3年11月29日~令和3年12月5日)No.493

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第48週の報告です。感染性胃腸炎が定点あたり6.70件と増加しました。手足口病は定点あたり1.87件と減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。手足口病は京都市伏見区、南区と乙訓、中丹西で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が2件、侵襲性肺炎球菌感染症、梅毒がそれぞれ2件報告されました。また、基幹定点および眼科定点の報告はありません。

肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は小児、成人の肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などの原因になります。成人の市中肺炎の20%は肺炎球菌が原因といわれていますが、大半は菌血症を伴いません。侵襲性肺炎球菌感染症とは、本来無菌環境である髄液又は血液から肺炎球菌が検出された感染症のことをいいます。髄膜炎、菌血症を伴う肺炎、敗血症などが特に問題とされており、小児および高齢者を中心に患者報告があります。 感染経路は、主に飛沫感染とされています。1歳児の30-50%が肺炎球菌を鼻腔に保菌しており、成人の保菌率は3-5%程度と低いです。感染しても必ず発症するわけではありません。

潜在期間は不明で、症状は小児と成人で異なります。小児では発熱を初期症状とした菌血症が多くみられ、肺炎を伴うことはありません。また髄膜炎は、中耳炎に続いて発症することがあります。成人では、発熱、咳、痰、息切れを初期症状とし、肺炎を伴うことが多いです。髄膜炎の場合、頭痛、発熱、痙攣、意識障害、髄膜刺激症状等の症状を示します。

標準予防策に加えて、症状に応じて接触予防策・飛沫予防策を行うことが大切です。髄膜炎を除き、ペニシリン系抗菌薬が基本となります。髄膜炎や菌血症などの侵襲性肺炎球菌感染症を疑う場合はペニシリン耐性株も考慮した抗菌薬(バンコマイシン+セフトリアキソンなど)で治療を開始することもあります。耐性株が出現し,治療はより困難になってきています。 ペニシリン,アンピシリン,その他のβ-ラクタム系薬剤に対して高度耐性を示す菌株が世界中でみられています。

侵襲性肺炎球菌感染症の予防にはワクチンの接種が有効です。我が国では5歳未満の小児に対して、13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が定期接種され、65歳以降の高齢者に対して、23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)が定期接種されています。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第47週:令和3年11月22日~令和3年11月28日)No.492

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第47週の報告です。感染性胃腸炎は定点あたり3.29件とわずかに減少しました。手足口病も定点当たり1.89件と減少しましたが、手足口病は京都市南区、伏見区と乙訓、中丹西で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が5件、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、梅毒が3件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点の報告は流行性角結膜炎が1件報告されました。

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの多様な種類の病原体によって引き起こされ、下痢、嘔吐,腹痛、発熱などを主症状とする感染症です。ウイルス感染による胃腸炎がもっとも多く、毎年秋から冬にかけて流行します。

種類 原因病原体 備考
ウイルス ノロウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなど ノロウイルスは食中毒が多い
細菌 カンピロバクタ、サルモネラ、病原性大腸菌(O-157等) おもに食中毒
寄生虫(まれ) クリプトスポリジウム、赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫など 海外渡航、汚染された水・食品

感染経路は、感染患者の吐物や下痢便で手が汚染され、その手が口に触れることで感染する接触感染と、汚染された水や食品からの食品媒介感染(食中毒)があります。病原体により異なりますが、潜伏期間は1~3日程度です。

■ロタウイルス胃腸炎では、白色下痢症ともいわれ、便の色が白っぽくなります。嘔吐、下痢、発熱がみられ、乳児ではけいれんを起こすこともあり、有症期間は平均5~6日です。感染しても無症状の場合もあります。ワクチンがあり、乳幼児を中心に接種を受けるよう推奨されています。

■ノロウイルス胃腸炎では、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児では嘔吐、成人では下痢が多く、有症期間は平均24~48時間です。カキなどの二枚貝には調理するときは、十分な加熱処理をしましょう。なお、ノロウイルスの予防接種はありません。

これらのウイルス性胃腸炎には、特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます乳幼児や高齢者では脱水症状を生じることがあるので、早めに医療機関を受診しましょう。特に高齢者は、吐物による誤嚥性肺炎を起こすこともあります。
日頃から、トイレの後や、調理・食事の前には、石けんと流水で十分に手洗いをする習慣をつけましょう。

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