京都府感染症情報センターから情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第46週:令和3年11月15日~令和3年11月21日)No.491

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第46週の報告です。感染性胃腸炎は定点あたり3.37件とさらに増加しています。手足口病は京都市南区、伏見区と乙訓、中丹西で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、腸管出血性大腸菌感染症が1件、E型肝炎とレジオネラ症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が2件、侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点の報告もありません。

O-157を代表とする腸管出血性大腸菌感染症は例年5月頃から10月頃までが流行期とされています。腸管出血性大腸菌は、汚染された水や食品(生肉、野菜など)などを介して経口感染します。わずか50個ほどの菌で感染するので、患者や保菌者の便からの二次感染にも注意が必要です。ヒトからヒトへの感染予防には、十分な手洗いが必要です。潜伏期は2~9日とされ、激しい腹痛を伴う下痢、続いて血便がみられます。乳幼児や高齢者が感染した場合は重症化しやすいとされています。感染者のうち5-7%は出血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を発症し致死率は1-5%に至ります。

予防策として、食肉の十分な加熱処理が最も重要ですが、調理器具(まな板や包丁)の十分な消毒や洗浄、また生肉を切った包丁やまな板を、そのまま生で食べる野菜に使用しないなどの注意も必要です。勿論、調理や食事前の手洗いも大切です。石けんと流水による「丁寧な」手洗いが有効です。乳幼児、高齢者などは重症事例を防止するため、生肉又は加熱不十分な食肉を食べさせないよう配慮しましょう。 さらに詳しくお知りになりたい方は、厚生労働省の「腸管出血性大腸菌Q&A」をご覧ください。

 

新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況については、こちらをご覧ください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

 

 

京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第45週:令和3年11月8日~令和3年11月14日)No.490

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第45週の報告です。感染性胃腸炎が定点あたり2.63件と増加しました。手足口病は定点あたり2.22件、ヘルパンギーナも定点あたり0.43件と減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。手足口病は京都市伏見区、南区と乙訓で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が2件、レジオネラ症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、梅毒が3件報告されました。また、基幹定点はありません。眼科定点の報告もありません。

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)感染症は、グラム陰性菌による感染症の治療において重要な抗菌薬であるメロペネムなどのカルバペネム系抗菌薬等に対して耐性を示す腸内細菌科細菌による感染症の総称です。主に感染防御機能の低下した患者や外科手術後の患者、抗菌薬を長期使用している患者などに感染症を起こします。肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、敗血症、髄膜炎など多様な感染症を起こし、しばしば院内感染の原因となり、時に健常者に感染症を起こします。無症状で腸管等に保菌されることもあります。CRE感染症は2014年9月19日より5類全数把握疾患に追加され、発症者のみ(保菌者は対象外)が届出対象となりました。 CRE感染症をはじめとする耐性菌の増加は、抗菌薬の不適切な使用が原因であり、近年その問題が提起されています。耐性菌の発生を防ぐためには、耐性菌の発生状況や抗菌薬の使用状況のサーベイランスとそれに基づくリスク評価、適切な感染管理等が重要であるとともに、府民のみなさんの御理解が不可欠です。医療機関で処方された抗菌薬(抗生剤)の服用を中断すると耐性菌の発生を招きます。症状がなくなっても処方された期間を最後まできちんと飲みきりましょう。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第44週:令和3年11月1日~令和3年11月7日)No.489

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

令和3年第44週の報告です。手足口病は定点あたり3.01件とさらに増加しています。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。手足口病は京都市南区、伏見区と乙訓で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が11件、レジオネラ症が1件、後天性免疫不全症と梅毒がそれぞれ1件 報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点の報告もありません。

レジオネラ症の原因となるレジオネラ菌は水中や土の中に存在し、給湯設備や空調の冷却塔、加湿器のなかで増殖します。レジオネラ菌に汚染された細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染しますが、全員が発症するわけではありません。日本では、循環式浴槽における感染事例が多くを占めており、公衆浴場などでの設備の衛生管理や構造設備上の措置を十分行う必要があります(*)。また、高齢者や糖尿病の患者など抵抗力の弱い人が感染しやすく、死亡率が高いとされています。現在は尿による迅速診断キットによって簡便に診断できます。レジオネラ菌は、一般細菌の増殖後にそれらを捕食するため増えたアメーバの中で増殖します。36℃前後で最も繁殖しますが、高温や塩素消毒で死滅します。予防のためには、感染源となる給湯設備、冷却塔、浴場、加湿器などを清潔に保つことが重要です。20℃以下の低温もしくは45℃以上の高温にすることが効果的です。治療にはニューキノロンやマクロライド系の抗菌薬が著効します。

*循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル(令和元年12月17日改正):https://www.jvnf.or.jp/newinfo/2019/191220tsuchi-2.pdf

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第43週:令和3年10月25日~令和3年10月31日)No.488

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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(2021年第42週:令和3年10月18日~令和3年10月24日)No.487

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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(2021年第41週:令和3年10月11日~令和3年10月17日)No.486

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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(2021年第40週:令和3年10月4日~令和3年10月10日)No.485

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第39週:令和3年9月27日~令和3年10月3日)No.484

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第38週:令和3年9月20日~令和3年9月26日)No.483

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2021年第37週:令和3年9月13日~令和3年9月19日)No.482

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

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