京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第30週:令和元年7月22日~令和元年7月28日)No.372

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病は、先週よりさらに減少し、定点あたり4.53件と報告されましたが、府全体としては、依然警報レベルにあります。地域ごとに見ると、山城南、中丹西、中丹東、丹後、京都市北区、東山区、下京区以外の地域で警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、引き続き、乙訓、京都市左京区、上京区、南区、伏見区で警報レベルとなっています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が中丹西で、引き続き警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が5件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、デング熱とレジオネラ症が1件、百日咳が4件報告されました。また、基幹定点から無菌性髄膜炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が8件報告されました。

デング熱の報告がありました。デング熱は、主に海外でみられる、蚊により媒介される疾患で、決して死亡率は高くありませんが、まれにデング出血熱など重症化して死に至ることがあります。海外に行かれる際は、特に、デング熱、ジカウイルス感染症、マラリア、チクングニア熱など、蚊媒介感染症への対策に御留意ください。具体的には、野外活動では長袖・長ズボンを着用し、素足でのサンダル履きは避け、虫除け剤を使用して蚊に刺されないような対応が必要です。

また先週に引き続き、京都府全地域において食中毒注意報が発令されています。高温多湿の気候が続いており、食中毒が発生しやすい環境となっています。食中毒の原因となる菌を増加させないよう、手洗い、低温管理、消毒、加熱調理を心がけてください。特に報告が続いている腸管出血性大腸菌は、少量の菌で食中毒の原因となり、重症化する危険もありますので十分注意してください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

http://www.pref.kyoto.jp/idsc/

京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第29週:令和元年7月15日~令和元年7月21日)No.371

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病は、先週よりさらに減少し定点あたり6.66件と報告されましたが、府全体としては依然、警報レベルにあります。地域ごとに見ると、丹後、京都市北区、下京区以外のすべての地域で警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区、上京区、南区、伏見区で警報レベルとなっています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が、中丹西で引き続き警報レベルとなっています。京都市右京区では、水痘が警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が7件、腸管出血性大腸菌感染症が6件、E型肝炎が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・劇症型溶血性レンサ球菌感染症とバンコマイシン耐性腸球菌感染症がそれぞれ1件、百日咳が2件報告されました。また、基幹定点から無菌性髄膜炎が4件、マイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が1件報告されました。

7月23日京都府全地域において食中毒注意報が発令されました。高温多湿の気候が続いており食中毒が発生しやすい環境となっています。食中毒の原因となる菌を増加させないよう、手洗い、低温管理、消毒、加熱調理を心がけてください。特に大腸菌は少量の菌で食中毒の原因となりますので十分注意してください。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第28週:令和元年7月8日~令和元年7月14日)No.370

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病は、先週よりやや減少し定点あたり10.31件と報告されました。依然、丹後以外のすべての地域で警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区、右京区、上京区、南区、伏見区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱、水痘が乙訓で、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が中丹西で引き続き警報レベルとなっています。京都市中京区では、ヘルパンギーナが警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が5件、腸管出血性大腸菌感染症が4件、レジオネラ症が2件、急性脳炎・クロイツフェルト・ヤコブ病・後天性免疫不全症候群・侵襲性肺炎球菌感染症と百日咳がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点の報告として、無菌性髄膜炎が4件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が1件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が8件報告されました。

クロイツフェルト・ヤコブ病の報告が1件ありました。クロイツフェルト・ヤコブ病は、正常プリオン蛋白が何らかの理由で伝播性を有する異常プリオン蛋白に変化し、主に中枢神経内に蓄積することにより、急速に神経細胞変性をおこす稀な致死性疾患であるプリオン病の一種です。病因により、特発性(孤発性)、プリオン蛋白遺伝子変異による遺伝性、他のプリオン病からの感染による獲得性(医原性、変異型)の3種類に分類されています。2003年より五類感染症に分類されており、診断後7日以内に保健所へ報告することが義務づけられています。本疾患の有病率は100万人に1人前後で、男女差はなく、発病は50~70歳代に多く、わが国のサーベイランス調査によると、孤発性が76.5%、遺伝性が19.0%、獲得性が3.9%となっています。治療は確立されておらず、孤発性症例では、進行が速く1~2年で死亡の転帰をとりますが、遺伝性や一部の孤発性症例は進行が遅く数年に及ぶものもあります。

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第27週:令和元年7月1日~令和元年7月7日)No.369

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病が先週よりさらに増加し、定点あたり11.21件と報告されました。丹後と京都市北区、下京区以外のすべての地域で警報レベルとなっています。伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区、右京区、上京区、伏見区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が乙訓で警報レベルとなっています。また中丹西では、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり4.33件と引き続き警報レベルとなっています。京都市中京区では、ヘルパンギーナが警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が9件、腸管出血性大腸菌感染症が5件、レジオネラ症が1件、侵襲性インフルエンザ菌感染症が1件、百日咳が6件報告されました。また、基幹定点の報告として細菌性髄膜炎が1件、無菌性髄膜炎が3件、マイコプラズマ肺炎が4件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が7件報告されました。

関東地方でヘルパンギーナの流行の兆しがみられています。東京都や埼玉県の一部の地域では警報レベルを超えておりさらなる感染拡大が危惧されます。

ヘルパンギーナ、手足口病及び咽頭結膜炎の3つの病気は、夏かぜとして知られており、いずれも感染力の強い疾患です。ヘルパンギーナは、38度を超える発熱と咽頭の水泡が特徴で、発熱は1-2日で低下しますが、水泡が破れると疼痛を伴いますので、食事や水分摂取が低下しがちとなり、脱水に注意が必要です。手足口病は、手足や口に水泡ができ、爪がむけるなどの症状がでることもあります。プール熱ともいわれる咽頭結膜炎では、かぜの症状に加えて充血や眼脂があらわれます。

いずれの疾患も対症療法で改善しますが、髄膜炎や脳炎、心筋炎などを合併することがあるので注意してください。また発熱や水分摂取不良により脱水が進行することがありますので口当たりのよいものなどで水分をしっかりとれるようにしてあげてください。

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第26週:令和元年6月24日~令和元年6月30日)No.368

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病が先週よりさらに増加し定点あたり10.60件と報告されました。南丹15.00件、中丹東10.80件、丹後と京都市北区、下京区、東山区以外のすべての地域で警報レベルとなっています。

伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区、右京区、上京区、中京区、伏見区、南区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が乙訓で警報レベルとなっています。また中丹西ではA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり6.67件と警報レベルとなっています。

全数報告対象の感染症は、結核が12件、腸管出血性大腸菌感染症が5件、腸チフスが1件、レジオネラ症が2件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症・後天性免疫不全症候群・侵襲性インフルエンザ菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、百日咳が4件報告されました。

また、基幹定点から無菌性髄膜炎と感染性胃腸炎(ロタウイルス)がそれぞれ2件、マイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が2件報告されました。

手足口病の報告はさらに増加しており家庭内でも感染予防に留意してください。

サルモネラ菌の一種である腸チフス・パラチフスは、現在でも、日本を除く東アジア、東南アジア、インド亜大陸、中東、東欧、中南米、アフリカなどに蔓延し、流行を繰り返しています。衛生状態の改善により日本で発生するほとんどの症例は海外からの輸入感染症です。

10~14 日の潜伏期の後に39~40℃の発熱で発症し、比較的徐脈、バラ疹、脾腫が3 主徴とされています。原因菌はSalmonella enterica serover Typhiでありニューキノロン系の抗生物質が第一選択となります。しかし近年では薬剤耐性チフス菌が分離されており対応がとられています。チフス菌・パラチフス菌は人間にのみ感染し病気を起こします。

原因菌で汚染された食物や水が原因となるので、海外渡航時は生水や生肉の飲食を避け、帰国後発熱や下痢などの体調不良があった際はすぐに医療機関を受診してください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第25週:令和元年6月17日~令和元年6月23日)No.367

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病が先週よりさらに増加し定点あたり9.66件と報告されました。南丹15.00件、中丹東10.80件、中丹西10.33件、乙訓9.50件と報告されており京都市でも10.65件となっています。伝染性紅斑は、引き続き、乙訓、京都市左京区、右京区、伏見区、南区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が、乙訓で警報レベルとなっています。また中丹西では、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり5.67件と警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が10件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、レジオネラ症が4件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が1件、百日咳が5件報告されました。

また、基幹定点の報告として、無菌性髄膜炎とマイコプラズマ肺炎がそれぞれ2件、感染性胃腸炎(ロタウイルス)が1件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が10件報告されました。手足口病は、報告数がさらに増加し感染が拡大しています。また伝染性紅斑も一部の地域で流行が継続しています。

伝染性紅斑(erythema infectiosum)は、ヒトパルボウイルスB19(Human parvovirus B19)による感染症であり、幼児、学童の小児を中心にみられる流行性の発疹性疾患です。典型例では、両頬に蝶形紅斑が出現し、リンゴのように赤くなることから「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもありますが、本疾患の約4分の1は不顕性感染です。感染経路は、通常は飛沫感染もしくは接触感染です。感染後10~20日の潜伏期間を経て両頬の境界鮮明な紅斑が出現し、続いて腕、脚部にも網目状・レース様の発疹がみられます。感染後1週間前後でインフルエンザ様の症状がでますが、発熱は軽度です。成人では頬の紅斑は少なく、風疹との鑑別が必要になります。

妊娠している方やその可能性のある方は、感染により胎児水腫や流産を起こす場合があります。

流行地域の家庭内で調子を崩している小児を妊婦がケアをする場合においては、手洗いの通常以上の徹底や、食器の共有をしないなど注意してください。

 

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第24週:令和元年6月10日~令和元年6月16日)No.366

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

手足口病が先週よりさらに増加し、定点あたり6.30件と報告されました。京都府全域で定点あたり5.0件を超え警報レベルとなっています。特に、南丹10.60件、中丹東7.40件、中丹西6.00件、乙訓5.25件と報告されており、京都市でも7.21件となっています。伝染性紅斑は、引き続き乙訓、京都市左京区、伏見区で警報レベルとなっています。咽頭結膜熱が乙訓で警報レベルとなっています。また中丹西ではA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり5.67件と警報レベルとなっています。

全数報告対象の感染症は、結核が15件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、レジオネラ症が2件、後天性免疫不全症候群と風しんがそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、百日咳が2件報告されました。

また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が5件とマイコプラズマ肺炎が1件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が4件報告されました。

今週はさまざまな感染症の報告数が警報レベルに達しました。エンテロウイルス等が原因となる手足口病は、4歳ころまでの幼児を中心に、主に初夏から初秋にかけて流行が見られます。予後良好な疾患ですが時に急性髄膜炎や脳炎などを引き起こすことが知られており死亡例もみられます。感染後3~5日の潜伏期をおいて、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹が出現します。発熱はあまり見られず38度以下のことがほとんどです。特異的な治療法はなく発疹にたいしても外用薬は用いられません。重要なことは水分補給です。咳やくしゃみのしぶき、便にふくまれるウイルスから口を介して感染します。

予防には、手洗いが重要です。治療後も便からの感染がありうるので特に排便後の手洗いを徹底してください。

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京都府感染症情報センターからのコメント

(2019年第22週:令和元年5月27日~令和元年6月2日)No.364

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は、定点あたり5.87件と減少しました。伝染性紅斑は、先週に引き続き、乙訓、京都市左京区、右京区、南区、伏見区で警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が7件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症と百日咳がそれぞれ2件、麻しんが 1件報告されました。

また、基幹定点の報告としてマイコプラズマ肺炎と無菌性髄膜炎がそれぞれ1件報告されました。眼科定点の報告として流行性角結膜炎が6件報告されました。

麻疹と風疹の報告数が増加しています。国立感染症研究所は麻疹の報告数が566人となり、すでに昨年1年間の2倍を超えたと発表しました。大阪が142人と最も多く、東京、三重、神奈川、愛知と続いています。東南アジアと同じタイプの遺伝子が検出されており渡航者から広がり国内に定着しつつあると危惧されています。風疹も5月26日までの1週間で全国で44人の患者が報告されており、昨年からの流行が続いています。

ワクチン接種に加え、疑わしい症状が見られた際はすぐに医療機関を受診し感染拡大防止につとめてください。

 

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(2019年第21週:令和元年5月20日~令和元年5月26日)No.363

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は、定点あたり6.09件と減少しました。伝染性紅斑は、乙訓に加え京都市左京区、右京区、伏見区でも警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、アメーバ赤痢・侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、百日咳が3件報告されました。

また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が5件報告されました。眼科定点の報告として流行性角結膜炎が5件報告されました。

アメーバ赤痢の原因は大腸に寄生する赤痢アメーバと呼ばれる原虫の一種です。栄養型(いわゆるアメーバー運動をして活発に動く)とシスト型2つの形態を取り、外部環境に強いシスト型を摂取することで経口感染します。

具体的には海外旅行などで汚染された飲食物を摂取することや性行為が原因で感染し、典型例は粘血便などの下痢、テネスムス(しぶり腹)、腹痛で発症します。まれに肝膿瘍や脳・肺・皮膚などの腸管外に合併症を来します。

細菌性赤痢と原因は異なりますが、ともに赤い便(赤痢)をきたし、感染地域である海外で生水、氷、生野菜や生の魚介類、カットフルーツなどから感染することが多いです。海外渡航の折には、厚生労働省検疫所(FORTH)ホームページなどで、前もって渡航先の国の感染情報などを見て、予防策を確認するようにしてください

 

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(2019年第20週:令和元年5月13日~令和元年5月19日)No.362

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点あたり7.32件と増加しています。伝染性紅斑は、乙訓に加え京都市左京区、右京区、中京区でも警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が2件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件、風しんが1件、百日咳が4件報告されました。また、基幹定点の報告としてマイコプラズマ肺炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が7件報告されました。眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が3件報告されました。

伝染性紅斑が一部の地域で流行しています。伝染性紅斑(erythema infectiosum)は、ヒトパルボウイルスB19(Human parvovirus B19)による感染症であり、幼児、学童の小児を中心にみられる流行性の発疹性疾患です。典型例では、両頬に蝶形紅斑が出現し、リンゴのように赤くなることから「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもありますが、本疾患の約4分の1は不顕性感染です。感染経路は、通常、飛沫感染もしくは接触感染です。感染後10~20日の潜伏期間を経て両頬の境界鮮明な紅斑が出現し、続いて腕、脚部にも網目状・レース様の発疹がみられます。感染後1週間前後でインフルエンザ様の症状がでますが、発熱は軽度です。成人では頬の紅斑は少なく、風疹との鑑別が必要になります。2018年から2019年にかけて全国的に流行しています。また、妊娠している方やその可能性のある方は、感染により胎児水腫や流産を起こす場合があります。流行地域の家庭内で調子を崩している小児を妊婦がケアをする場合においては、手洗いの通常以上の徹底や、食器の共有をしないなど注意してください。

 

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