京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第8週:平成31年2月18日~平成31年2月24日)No.351
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
インフルエンザの報告数は定点あたり7.29件と減少傾向です。乙訓と京都市左京区、南区、伏見区では警報レベルとなっています。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、アメーバ赤痢・急性弛緩性麻痺・水痘(入院例)がそれぞれ1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・百日咳と風しんがそれぞれ2件、侵襲性肺炎球菌感染症が4件報告されました。
また、基幹定点の報告としてマイコプラズマ肺炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が2件、眼科定点の報告として、流行性角結膜炎が2件報告されました。
今年に入りアメーバ赤痢、細菌性赤痢が散見されます。「赤痢」と呼ばれる病気には、細菌性赤痢とアメーバ赤痢があります。今週定点報告において報告されたアメーバ赤痢は、赤痢アメーバという原虫の感染を原因とする病気です。
アメーバ赤痢の原因は、大腸に寄生する赤痢アメーバと呼ばれる原虫の一種です。栄養型(いわゆるアメーバー運動をして活発に動く)と嚢子型(シスト)、2つの形態を取り、外部環境に強い嚢子型(シスト)を摂取することで経口感染します。具体的には、海外旅行などで汚染された飲食物を摂取することや性行為が原因で感染し、典型例は粘血便などの下痢、テネスムス(しぶり腹)、腹痛で発症します。まれに肝膿瘍や脳・肺・皮膚などの腸管外に合併症を来します。
細菌性赤痢と原因は異なりますが、ともに赤い便(赤痢)をきたし、感染地域である海外で生水、氷、生野菜や生の魚介類、カットフルーツなどから感染することが多いので海外旅行の際には注意してください。
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