本園キンダーカウンセラーの桜井先生よりおたよりが届きましたので、配信します。お家でのお過ごしで息が詰まることも多いと思います。体調の変化等の配慮にぜひご一読ください。
来週5月21日には、京都府の緊急事態宣言が解除の発表がさえる可能性も出てきました。解除されても、新しい生活様式に配慮しなければいけませんが、少しずつ通常に戻りつつあることは、見えてきた考えれます。
昨日の京都市内感染者は、1名でした。
今後の動向を注視いしながら、まずは各クラス一回ずつの自由登園日を実施してまいります。
以下が桜井先生からのおたよりです。
保護者の皆様へ
キンダーカウンセラー
桜井 真代
緊急時の心と体の変化について
この度は,新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,保護者の皆様におかれましても,大変な日々をお過ごしの方も多くおられることと思います。
テレビでも連日新型コロナウイルス関連の報道がなされ,また自粛要請のために生活が制限される中,大人にとっても様々な不安やストレスがかかることがあるかと思います。
子どもの場合は,一見元気そうに見えても,普段と違う生活の中で,ストレスを感じていることがあります。
このような緊急時には心と体に様々な変化が起こることがあります。この変化は大人,子ども問わず,誰にでも起こる緊急時に対応する心の働きで,変化が起こること自体はごく自然なことです。よく起こる変化や対応についてお知らせさせていただきますので,ご家庭で見守っていただく際に,参考にしていただければと思います。
心と体の変化
①心の変化
不安になる 気分が落ち込む 関心ややる気が出なくなる
過敏になる 興奮しやすくなる
②考え方の変化
注意や集中力が低下する 忘れっぽくなる 否定的に悲観的に考えてしまう
考えがまとまらない 物事が決められない
③体の変化
お腹の痛み,頭痛,めまいなどを訴える 皮膚や目のかゆみ,アレルギーなどがひどくなる
食欲がなくなったり,食べ過ぎる 睡眠や食事のリズムが崩れる
寝つきが悪くなる 怖い夢を見たり,夜中に目が覚める
疲れやすかったり,漠然とした体の不調を訴える
トイレが近くなったり,おねしょをする
④行動の変化
大人にくっついたり,甘えてくる スキンシップを求めてくる 一人になることを嫌がる
幼い言葉を使ったり,指しゃぶりなどの赤ちゃん返りをする
寝ること,着替えること食事など一人でできていたことがでできなくなり,大人にやってほしいと頼む
そわそわして落ち着かない 表情に乏しくボーっとしている
すぐに泣いたり怒ったりすることが増える わがままになる ぐずることが増える
反攻的になる 言葉がきつくなる いつも以上にこだわりが強くなる パニックになりやすくなる
新型コロナウイルスについてのことを繰り返し話したり,関係した遊びをする
以上のような変化が起こることは,ごく自然なことです。
また,子どもたちの場合,「受け止めてくれる大人がいる」「安心できる環境」であるからこそ,様々な変化を表現できているのだと思います。
このような変化は時間とともにおさまっていくことが多いですが,周囲の人たちがあたたかく受け止め,接してあげることが,変化がおさまっていく助けとなります。
対応のヒント
*色々な変化を自然なものと受け止め,安心感を与えるようにあたたかく接してあげることが大切です。
*話をしてくるときには,まずは話をゆっくり聞きましょう。
否定せずに話を聞いてもらえることで気持ちを受け止めてもらえると感じることができます。
間違った考えを持っている時や,質問をしてくる時には,子どものわかる言葉で説明をしてあげましょう。
自分でできる予防法を教えることも安心につながります。
*食事,睡眠などのリズムをできるだけ崩さないようにしましょう。
「いつも通り過ごせること」は安心につながります。
普段している楽しみやルーティンもできる範囲でしましょう。
室内でできる軽い運動などで体を動かすこともストレスの軽減に役立ちます。
*子どもに出来事に関連した映像に触れさせることを控えましょう。
テレビ報道の映像や情報に繰り返し触れることで緊張や不安が高まることがあります。
特に子どもは影響を受けやすいため,映像を繰り返し見ることを控えることも大切です。
*赤ちゃん返り,甘えてくる,わがままを言う,反抗してくるなどいつもと違う様子についても,その子なりの表現のことがあるので,できるだけあたたかく受け止めてあげましょう。
一人になるのを嫌がったり、大人にくっついたり,甘えてくることがあります。できる範囲で,大人と一緒に過ごせる時間をもったり,スキンシップを取ることも安心につながります。
*出来事に関連した遊びを無理にやめさせないようにしましょう。
子どもは遊びの中で出来事を再現し,気持ちを表出することがあります。大人から見ると不謹慎に思えるような遊びでも気持ちを整理している過程かもしれません。子どもが苦痛そうに見えたり,危険でない場合は,叱ったり,無理にやめさせず様子を見守ってください。
*ストレスを抱えていても,それを表現できない子どももいます。普段よりもいい子にしていたり,頑張っている子どもも無理をしていないか様子を見てあげてください。
これらの心と体の変化は時間の経過とともにおさまってくることがほとんどですが,普段と違う様子が長引く場合にはご相談いただければと思います。
保護者の皆様におかれましても,普段と違う生活の中,様々なご負担がかかっておられることと思います。どうぞご自身の体調にも留意してお過ごしください。