京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第28週:7月10~16日) No.268
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
今週も引き続き、手足口病が流行しています。定点あたりの報告数は先週の6.46件から6.71件と増加しています。全国的にも定点あたり8.27件とさらに増加しています。中丹東、乙訓、南丹、山城北に加え今週は山城南でも定点あたり5.00件となり、警報レベルとなっています。京都市内でも北区、西京区、上京区、下京区以外のすべての区で警報レベルとなっています。
ヘルパンギーナの報告数が1.22件と微増しています。感染性胃腸炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。
全数報告対象の感染症は結核が3件、アメーバ赤痢が 2件 報告されました。
また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎とロタウイルスによる感染性胃腸炎がそれぞれ1件、流行性角結膜炎が9件報告されています。
北海道でダニ媒介脳炎の報告がありました。平成28年に同じく北海道で23年ぶりに2例目の報告があって以来、国内3例目となりました。ダニの一種であるマダニはライム病、回帰熱、日本紅斑熱以外に、重症化すると生命にかかわるダニ媒介脳炎や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など様々な疾患を媒介します。これらは原因となるウイルスはそれぞれ異なりますが、マダニに咬まれることでヒトに感染する点は共通するためダニ媒介感染症として扱われています。
感染予防のため、森林地帯等に入る場合はダニに刺されないように注意することが重要です。長袖・長ズボンを着用し、靴は足を完全に覆うものがよく、サンダルのような露出が多いものは避ける方がよいでしょう。屋外で活動したあとはすぐに入浴し、マダニに咬まれていないかを確認しましょう。もしマダニに咬まれた場合は、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
下記のポスターも参考にしてください。
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